

掲載日:2008年04月22日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
インジェクションを採用したビッグシングルは、スターターボタンに触れた瞬間、静かに目覚める。想像よりも振動は少ないが、かといって荒々しさがないというわけではない。「回したら表情を変えそうなエンジン」だということが、アイドリングから想像できるものだ。跨ってみると、低めに押さえられたハンドルやステップの位置、足の間に収まるタンクの低さなど、最新モタードマシンらしいポジショニング。装備重量は153kgというデータだが、取りまわした感じと跨った感じでは、非常に軽く感じられる。クラッチをつなぎ走り出してみると、アクセルのレスポンスの良さのおかげで、マシンがさらに軽く感じられた。始めのうちは市街地をトコトコペースで走ってみたのだが、そんなときでもアクセルのフィーリングが好感触なのだ。
「さてそろそろ」と思い、ギヤをやや引っ張りぎみにして走ってみると、4000rpm~5000rpmあたりでエンジンがその本領を発揮し始める。油断していると3速でも軽くフロントタイヤが浮いてくるほどの加速感だ。シャープに絞り込んだ形状のタンクをヒザでぐっとホールドしながらのライディングは、ストリートでもスポーツの気持ちよさが味わえるといっていいもの。フロントブレーキはシングルディスクながら大径でパワフルだし、フロントフォークがほどよく沈み込んでくれてコーナーへの進入もナチュラル。そういったスポーツ性が感じられるフィーリングでありながら、ストリートで遭遇する渋滞、信号待ちといったシチュエーションでの安定感も高い。極低速でフラフラするようなフィーリングがなく、極低速から高速まで、カチッとした乗り味を持っているのだ。
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