

掲載日:2007年11月05日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
セル1発で目覚める猛獣。スタイリングから受けるイメージと、アイドリングでのエキゾーストノートがこれほどマッチしているバイクも珍しい。Vツインらしい鼓動感を残しながら、サウンドはあくまでワイルド。アクセルを軽くひねるだけで、マシンはまるで檻に閉じこめられた猛獣のように吠える。そしてそのレスポンスのよさにも驚かされた。遊びが少ないセッティングのアクセルは、走りを楽しみたいライダーにとって、心地よい緊張感をもたらすものだ。暖気を終え、エキゾーストノートに急かされるようにギヤを入れて走り出してみると、最初に印象的だったのは、レスポンスのよさと軽い吹け上がり。次に感じるのは、きわめてレーサーライクなパワー感と、バーハンドルが生む余裕あるポジションのアンバランスさ。
しかしこのポジションに慣れてくると、走りが楽しくて仕方なくなってくる。がっちりとニーグリップを決めて上半身をフリーにし、990ccとは思えないヒュンヒュン回るVツインを操作する高揚感。パワーバンドに入った瞬間に、猛獣は檻から解き放たれたかのような加速を見せ、ライダーを襲ってくる。加速したいとき、減速したいとき、曲がりたいとき、ライダーの意志は瞬間的にマシンに伝わっていく。一方で、このマシンはライダーに怠慢を許さないところがある。つねにパワーバンドをキープしておけ、とまでは要求してこないが、やや高めのギヤで街中の渋滞路を流したいときなどは、やはりストレスを感じてしまう。エンジンが「できれば開けてくれ」と要求してくるような感じ。またレスポンスのよさに関しても、「よすぎる」という面で神経質にならざるを得ない部分がある。
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