掲載日:2007年11月05日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
ライトカウル、タンク・シュラウド、アンダーカウル、テールカウルと外装の各部にはエッジの効いたカッティングが施され、どの角度から見ても攻撃的な印象。大きくせり上がるタンクと、コンパクトにまとまるリヤまわりの対照が、まるで獲物を狙う猛獣のようなイメージを漂わせている。スーパーモタードイメージが残っていたシングルエンジンのDUKEとは異なり、あくまで重心の低いロードよりのスタイルだ。フロントフォーク、スイングアームはどちらも極太で剛性感を感じさせるもの。しかしその見た目とは裏腹に、またがってみると、ポジションには意外な優しさがある。バーハンドルゆえのアップライト感は、明らかにスーパースポーツとは異なる快適なもの。ライダーのおなかあたりに向けて大きくせり上がる印象のタンクも、またがってみると意外にコンパクトに感じられ、ニーグリップ時の安心感を増してくれる。
しかし、ひとつ気になることがあった。それは足着き性だ。850mmというシート高は、小柄なライダーにはいささか不安を感じさせるものかもしれない。身長180cmのライダーであれば両足のカカトが地面に着くのだが、ヒザには余裕がないというレベル。このあたりは見た目の印象と異なる部分で、体格の大きい欧米人向けかな、という感覚を否めないと同時に、スーパーモタードの雰囲気が残る部分でもある。しかし、決して重心が高いというわけではなく、半乾燥重量(乾燥重量ではなく、油脂類を含む重量表示)が約186kgというボディは、引き起こしや押し引きでも軽さを感じられるものだ。