

掲載日:2007年08月27日 試乗インプレ・レビュー
構成/バイクブロス・マガジンズ編集部
扱いやすいサイズと穏やかな特性のエンジンだけに、大型免許初心者にはうってつけのバイクだ。それは国内でGSFを名乗っていた時代の750ccモデルが、大型二輪教習車にも使われていたことからも伺える。ただし、バンディット1200をベースにした白バイ仕様車(GSF1200P)も存在することから、運動性能の基本レベルが高いことも分かる。つまりは上級者にとっても乗りごたえのあるバイクだということだ。そんな素性を持ちながら、モデルチェンジに伴う水冷化やインジェクションの装備などで、扱いやすさが確実に進歩しているため、ますます万人にすすめられるオールラウンダーになったといえる。
ポルシェ911という車がある。1963年に登場してから現在まで、数次のモデルチェンジを経ながら生産が続けられている名スポーツカーだ。そのポルシェ911がデビュー以来の空冷エンジンを捨て、水冷化することを発表したとき、多くのファンから「911が911でなくなる」という声が上がった。今回のバンディット同様に、環境基準への対応が主な理由とされたが、結果的には「最新のポルシェが、最高のポルシェ」という定説が揺らぐことはなかった。たしかに、油冷エンジンが姿を消してしまうということに、古くからのスズキ・ファンの心境は複雑かもしれない。しかし、バンディット1250S ABSに試乗してみて感じたことは、油冷であろうと水冷であろうと、バンディットはバンディットだということ。乗ってみれば、「最新の~」という言葉のポルシェを、そのままバンディットに置き換えることができることに気がついてもらえるばずだ。バンディット1250S ABSは、絶対性能を追求したようなバイクではない。しかし、うまくニュアンスが伝えられるかどうかわからないが、スポーツライディングを「愉しむ」には、これ以上の相棒はないような気がする。
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