掲載日:2011年04月12日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/淺倉 恵介
土の路面で作られたオーバルサーキットを、ドリフトしながら駆け抜けるダートトラックレース。そのレースで使用される、フラットトラッカーをイメージしたスタイリングを持つのが FTR です。スリムなボディシェイプやアップタイプのハンドルがトラッカー気分を盛り上げます。カジュアルな服装でラフに乗りたい、スタイリッシュな1台です。もちろん形だけを真似たものではありません。路面を選ばず高い走破性を誇るフラットトラッカーの走りを、ストリートを舞台に再現させるというコンセプトのもとで作り出されたのです。エンジンは軽量でコンパクトな排気量 223cc の空冷4ストローク単気筒。低中回転域を重視したセッティングが与えられています。
FTR には CB223S と XR230 という兄弟車が存在します。CB223S はオーセンティックなロードスポーツ、XR230 はオフロード走行も見据えたデュアルパーパス。それぞれ、キャラクターの大きく異なる3車ですが、フレームやエンジンといったマシンの基本骨格は、かなりの部分を共有しています。他車種への流用が可能なほど、FTR の基本設計はしっかりと作り込まれているのですね。
さて、FTR にはモチーフとなった車両があります、1986年に発売された FTR250 がそれです。FTR250 は発売当時ヒットしたモデルではありませんが、1990年代後半に大流行した「スカチューン」カスタムのベース車として注目を浴び、中古車にはプレミアがつくほどの人気となりました。トラッカーイメージのバイクを、という市場からの要求に応え、ホンダが完全新設計でリリースしたのが現在の FTR なのです。
FTR の発売は2000年ですから、かれこれ10年は生産が続けられているロングセラーになります。2003年にはそれまでゼッケンプレート型だったサイドカバーが小型のものに変更したモデルが追加され、2011年モデルではゼッケンプレート型サイドカバーは廃止されています。発売当初から数年はカラーオーダープランという、タンク、サイドカバー、フロントフェンダーをそれぞれユーザーの好みの色に変更できるプランもあったので、カラーリングはとても豊富に存在します。数ある中古車の中から、気に入った色合いのマシンを探し出すのも楽しいかもしれません。
トライアルやモトクロスなど、ジャンルをクロスオーバーさせた「フリーライド・プレイバイク」を標榜。細身のシャシーに、空冷249cc単気筒のトルクフルなエンジンを積む。
草原で行われるグラストラックレーサーをイメージしたグラストラッカーに、大径ホイールとワイドタイヤを履かせたグラストラッカービッグボーイ。吸気はインジェクションを採用。
クラシックな雰囲気で人気のエストレヤをベースに、ヴィンテージモトクロッサーライクなスタイリングを持たせた250TR。オプションも豊富で、純正パーツでカスタマイズも楽しめる。
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