カワサキ W800

掲載日:2011年02月22日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/中村 友彦

カワサキ W800の画像
KAWASAKI W800

扱いやすさと味わいを増強した
クラシカルバーチカルツイン

2011年2月から発売が始まった W800 は、1999年のデビュー以来、ロングセラーモデルとして多くのライダーに愛用されてきた W650 の後継車です。最大の注目点は、昔ながらのキャブレターから現代的なインジェクションに変更された気化器と、排気量が約 100cc 拡大された OHC2 バルブ並列2気筒エンジン。メーカーが公表する数値を見ると、最高出力は W650 とまったく同じですが、最大トルクは 0.8kg-m 向上すると同時に発生回転数が 5,000→2,500rpm にまで引き下げられ、扱いやすさが格段に向上しています。また、W650 は以前から1960~70年代のクラシックツインと同質の鼓動感が味わえるモデルとして知られていましたが、排気量が増加した W800 はその点も強化され、従来型より濃厚な鼓動感が味わえるようになっています。

車体は基本的に W650 を踏襲しており、スチールダブルクレードルフレームやフロント19/リア18インチのホイール、各部にクロームめっき加工やバフ研磨したパーツなどを採用する点はそのまま。ただし、欧州市場への輸出を前提にショックユニットの設定を見直したり、ガソリンタンクに水転写デカールによるグラデーションカラーを採用したり、メーターをクラシカルな雰囲気に変更したりといった、細かな熟成が行われています。なおオプションパーツが豊富に準備されるのも W800 ならではの特徴で、中でもビキニカウルとシングルシートを組み合わせた “Café Style” セットは、車両購入と同時に入手するオーナーが多いようです。

発売から年月が経過していないため、W800 の中古はまだまったくと言っていいほど市場に存在しません。しかしその一方で、先代モデルの W650 の中古車相場は徐々に下がりつつあります。マシンの完成度という点で見れば、最新の W800 に軍配が上がるのは事実ですが、自分なりに手を加えてカスタムを楽しみたいというなら、あえて W650 を選ぶのもアリかもしれません。

カワサキ W800のここがポイント!
  • ●  海外製大排気量ツインに匹敵する濃厚な鼓動感
  • ● カム駆動にベベルギア+シャフトを採用したエンジンの造形美
  • ● 昔ながらのオーソドックスさが味わえるハンドリング

カワサキ W800のライバルはこれだ!

  • カワサキ
    W650

    1999年のデビュー以来、国産車唯一のクラシカルツインとしてロングセラーを記録。2001年には車体各部の寸法が変更され、2006年からは弟分のW400も併売。

  • トライアンフ
    ボンネビルT100

    往年の名車を2001年に復活させたトライアンフは、後にスラクストンやスクランブラーといった派生車を追加。エンジンはいずれも865ccのDOHC4バルブ並列2気筒。

  • モト・グッツィ
    V7クラシック

    縦置きVツインを主軸とするモト・グッツィのエントリーモデルは、1200cc系とは一線を画する扱いやすさが魅力。スタイルのモチーフは1970年代のV7スポルト。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索