掲載日:2009年12月21日 特集記事 › 怒涛の最新カスタム試乗
記事提供/2009年8月1日発行 月刊ロードライダー 8月号
■協力/ノジマエンジニアリング 〒513-0825三重県鈴鹿市住吉町7265-7 (製品購入・問い合わせはプロト tel/0566-36-0456まで)
これまでもノジマエンジニアリングは多くのZRXコンプリートマシンを生み出してきたが、この最新作はより多くのライダーがあらゆるシチュエーションで楽しめるものとなっていた。
スポーツネイキッド改めリアル・スポーツバイク!
普通に扱えてサーキットにも順応
とにかく、改装された鈴鹿サーキットを無心に走りこみ、楽しむことができた。確かに180km/hで速度リミッターが効くのは残念だったが、鈴鹿をこんなに楽しく走ったのは久々である。それでいて、とりわけ日常走行でのネガティブ面があるわけじゃない。その意味で、こいつは“カスタム車”というよりも“改良車”と表現して差し支えないマシンである。
ステップは若干後上に移動しているが、決して極端ではなく、これからスポーツする心構えにピッタリのライポジである。欧州製の市販ストリートファイター系モデルにもこの程度のものはあり、まったくもって自然だ。また、リヤの車高が少々高くなって、足着き性は悪くなっているが深刻なレベルではない。
エンジンを始動すると、排気音が至って静かなことが印象的。ただ、低速度、低回転域では、少々レスポンスがシャープで、特に4000rpmぐらいではドン着きとは言えないまでも、スッパーンと元気すぎるぐらいに反応するきらいもある。
が、気持ちが負けていなければ、むしろ楽しめる。またサーキットなら、気持ちが前に行っているので一切問題に感じることはない。ともかく、公道ではノーマルとさほど印象が大きく変わるわけではない。
そんなノジマZRXは、サーキットを走り出すとスムーズなことに驚かされる。フロントブレーキは、スーパースポーツならいざ知らず、ネイキッドモデルとしては異様に強力だが、指1本での操作を可能にしていて、しかも扱いやすいので、サーキットを走るマシンのバランスの中に溶け込んでいく。そして、スパルタンとかシャープといったイメージからはほど遠いフィーリングで、時間の流れをゆっくり感じ、マシンの挙動を楽しむことができる。
ところが、コースを攻め出すと、ノーマルにはない特性が顔を出してくる。とにかく、レーシーなのだ。フロントサスはソフトな中にも腰があり、一方のリヤはフロントを軸に姿勢変化するようなレーシングマシンらしい姿勢変化が造り込まれているのである。
車高が若干高くなっているのも、リヤサスのストロークが伸びているためだと納得させられる。進入時は後上がりの運動性の良い車両姿勢からターンイン。そして、リヤが沈みながら荷重を受け止め、トラクションをコントロールしていく(おそらくそのときの車高はノーマル並みの水準のようだ)。取っ付きの良さとレーシーさを両立しているのだ。
エンジンもそんなスポーティな走りに応えてくれる。5?7000rpmのトルクフルな領域を使ってコーナーを立ち上がり、8000rpmにかけては、ノーマルにはないインライン4らしい吹き上がりと、パワーの盛り上がりを感じさせる。
実際、10psほど向上しているとのことで、単にエキサイティングというよりは、サーキットを思い切り楽しめるバランスの良い特性が実現されているわけである。そうなると、ますます速度リミッターが効くのが残念なのだが……。
試乗後、野島さんに「マフラーのスパイラルチユーブには、エンブレがスムーズという評価をいただいているんですが、どうですか?」と尋ねられたが、言われてみれば確かにそのとおりである。全てをスムーズに感じた一端には、そのことも貢献しているはずである。
このノジマZRX1200DAEGは、ノーマルの扱いやすさや日常使用での面白さをそのままに、サーキットでもスポーツできるマシンへと変貌を遂げていたのである。
素性を昇華させた
野島英俊氏の最新作
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和歌山利宏:しゃぼん玉主催の鈴鹿走行会の中にお邪魔して試乗後、コンストラクターの野島英俊さんと久々の記念撮影。野島さんはサーキットまで、マシン自走でやって来た