【Page2】ゼファー1100 スポーツバージョン・試乗インプレ

掲載日:2009年12月21日 特集記事怒涛の最新カスタム試乗    

記事提供/2009年8月1日発行 月刊ロードライダー 8月号
■協力/しゃぼん玉本店 (TEL)0561-72-7050 〒470-0117愛知県日進市藤塚7-55

怒涛の最新カスタム試乗 - ゼファー1100 スポーツバージョン

SHABON-DAMA ZEPHYR1100 SPORTS

しゃぼん玉が製作した2台のカスタムゼファー1100を鈴鹿サーキットで試乗。

ゼファーの持つ2面性は意外なほどだった。

 

ゼファーはジキルとハイド?
よくまあ、ここまで生まれ変わったもんだ

そもそもゼファーは、'80年代後半期、限りなく高性能化していったレーサーレプリカに対するアンチテーゼとして生まれたネイキッドモデルだ。

 

400のデビュー後、相次いで、750、1100が登場、その後も改良が加えられてきたが、それらの持ち味は、乗り手の意思に先走ることなく、ひたすら忠実に追随してくれるところにあるのではないだろうか。スポーツ性も豊かで、操る面白さを秘めながらも、ケレン味はなく、出しゃ張らない存在なのである。

 

それがこのしゃぼん玉が造ったカスタム・ゼファー1100ときたら、別物に生まれ変わっていると言っていい。特にスポーツバージョンのほうは、ゼファーにこんな可能性があったのかと意外なほどである。何しろ、前輪を小径化、前後17インチとし、スイングアームを短縮、エンジンは排気量も拡大して、ワインディングだけでなくサーキットをも楽しめるように造られているのだ。

 

ライポジも当然、ノーマルとは別物で、現在のスーパースポーツのそれに近い。燃料タンクが短くてハンドルが近く、体重移動の自由度も高い。カフェレーサーの雰囲気であっても、昔のロングタンクスタイルではないわけだ。いくらゼファーとはいえ、このようなライポジで身構えると、大柄なエンジンを抱え込んで走る感じで、否応なしにテンションは高まる。ただ、取っ付きが悪くても、その緊張感が堪らない。それにサスは固められ、TMRキャブらしくレスポンスもシャープだから、ゼファーならではの平穏な気分は消え、熱いキャラクターに気分が引き締まる。

 

ところが、ワインディングを流す程度までペースが上がってくると、印象が一変。出しゃ張らず、落ち着きを取り戻し、別物とはいえ、ベースがゼファーであると認識させられる。アグレッシブなスロットルレスポンスや固めのサスは、もっとペースを上げろという合図なのかもしれない。自ずとコーナリングを楽しみ、そして攻めの走りに導かれていく。そうなると、低回転低開度で唐突に感じたエンジンも、トルクフルにしてスムーズで、扱いやすい。6500rpmでトルクピークを感じても、そのまま伸び感が素晴らしく、8?9000rpmでパワーの盛り上がりを感じる。ノーマルには期待できない高性能ぶりである。

 

それにしても、これだけの重量車をセパハンによる前傾ポジションで走らせるのは、重いエンジンが倒れ込んでくるようで難しさもあるが、それもマニアックな味わいだ。また、リヤ17インチでショートホイールベース化されているから、180km/hに達すると、車体は不安定になるきらいがある。もっとも恐怖感はなく、これもセッティングで改善できるはずだが……。それゆえ、車体をニュートラルにして寝かし込み、リヤに荷重していくという基本に導かれていく。乗りこなす面白さがあるのだ。

 

ただ、そうなってくると、サーキットではフロントブレーキがやや役不足である。ノーマルレベルの走りならバランスも良く、扱いやすいだろうが、攻めるにはちょっと物足りないことも否めない。

 

それはともかく、意外性を発見させてくれるエキサイティングさだ。

 

しゃぼん玉が提唱する
“本気モード”ゼファー

オレンジカラーのゼファー1258は、走りを追求するライダーのため、同店が技術をフルに投入したハイチューンマシンだ。前輪を小径化して前後17インチ化、スイングアームも短縮、軽快でコンパクト感がある一方、エンジンのボリュームが強調されたフォルムを見せる

オレンジカラーのゼファー1258は、走りを追求するライダーのため、同店が技術をフルに投入したハイチューンマシンだ。前輪を小径化して前後17インチ化、スイングアームも短縮、軽快でコンパクト感がある一方、エンジンのボリュームが強調されたフォルムを見せる

オレンジカラーのゼファー1258は、走りを追求するライダーのため、同店が技術をフルに投入したハイチューンマシンだ。前輪を小径化して前後17インチ化、スイングアームも短縮、軽快でコンパクト感がある一方、エンジンのボリュームが強調されたフォルムを見せる




 

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