レトロバイク・グラフティ第70回SUZUKI GN50E(スズキ GN50E)1981年

掲載日:2021年12月24日 レトロバイク・グラフティ    

イラスト・文/藤原かんいち

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スズキが作った最初で最後の本格的な原付アメリカン

70年代後半にやってきたアメリカンブーム。77年にスズキがマメタンを発売、80年にはホンダのラクーン、ヤマハのRX50がデビュー。その後を追うように81年にスズキのGN50Eが誕生。さらに翌82年には、ホンダがMCX50を、カワサキがAV50を発売。全メーカーが原付アメリカンを作る時代となった。

80年代初頭に遡ると、原付は大柄でハイパワー、ハイテクのロードモデルが若者のハートを捉えていた。アメリカンもまた同じように、フルサイズでパワーのある、実用性の高いモデルへの期待が高まっていった。スズキはいち早くマメタンというミニバイクのアメリカンを登場させ、人気は不動のものになっていた。しかし80年にフルサイズのラクーンとRX50が登場、アメリカン市場は一気に活性化した。同時にスズキファンからフルサイズのアメリカンへの期待が膨らみ、GN50E誕生へと繋がった。

大柄で人気を得ていたRX50よりもさらに全長が7㎝も長い大柄なバイクで、その内容も充実していた。アメリカンの象徴であるティアドロップ型のガソリンタンクは9リットルもありロングツーリングに対応。手前に引かれたアップハンドル、小物入れ付きの段付きシート、長めのフロントフォークなど、アメリカンムード満載だった。さらに最新の星形キャストホイールまで装着。最高出力7PSの強力エンジンもロードバイクにも引けを取らないスピードを実現。スズキ渾身のアメリカンだった。

ところが魅力たっぷりのモデルなのに人気は高まらず。バージョンアップされることもなく静かに消えていった。その不人気の原因は、いまも謎に包まれている。

スズキ GN50E スペック
  • ■サイズ/全長 1950mm×全幅 725mm×全高 1140mm ■エンジン/2ストローク単気筒 ■排気量/49cc ■最高出力/7.0ps/9000rpm ■最大トルク/0.58kgf・m/8000rpm ■変速機形式/リターン式・5段変速

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