レトロバイク・グラフティ第118回HONDA VT250F(ホンダ VT250F)1982年

掲載日:2023年12月22日 レトロバイク・グラフティ    

イラスト・文/藤原かんいち

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打倒RZ250! 水冷V型2気筒DOHC4バルブエンジンに
16インチの新時代バイク

排気ガス規制などから2ストが消えようとしていた時代。2ストを得意としていたヤマハが、究極の2ストスポーツバイクとしてRZ250をリリース。大ブレイクを果たすと250㏄スポーツバイク界はRZの一色に染まった。

そんな状況がしばらく続いたが、1982年に“打倒RZ”として、ホンダからとんでもないバイクが販売された。VT250F! そのすべてが衝撃的なものだった。

まずエンジン。何と1万回転オーバーまで回る! 水冷V型2気筒DOHC4バルブを搭載。「水冷」で「Ⅴ型」で「DOHC4バルブ」、ホンダの250㏄クラスとしては初めてがテンコ盛り。これまでのホンダの人気モデル、空冷2気筒SOHC3バルブのスーパーホークが色あせて見えるほどだった。

さらに足回りも最新鋭。前後輪に、キャストホイールの剛性とスポークホイールのしなりを両立させたブーメランコムスターホイールを装着。そしてフロントにはクラス初、16インチタイヤを採用、さらに新機能のインボードベンチレーテッドディスクブレーキを装備。リアにはプロリンクサスペンションを使用するなど、当時のホンダのGPマシンのノウハウが惜しげもなく盛り込まれていた。

それからバイク雑誌の話題は「RZ」vs「VT」どっちが速い!? の大戦争。大いに盛り上がった。打倒RZとして登場したVTだが、扱いやすさからスポーツバイクファンだけでなく、ビギナーや女性など幅広い層が支持。モデルチェンジを続けながら長く愛されるロングセラーバイクとなった。

ホンダ VT250F スペック
  • ■サイズ/全長 2000mm×全幅 750mm×全高 1175mm ■エンジン/4ストロークV型2気筒 ■排気量/248cc ■最高出力/35ps/11000rpm ■最大トルク/2.2kgf・m/10000rpm ■変速機形式/リターン式・6段変速

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