ホンダ・CB-Fヒストリー1983年編/1100Fを追加し750Fは生産を終了、旗艦としてのCB-Fはシリーズ終結へ

掲載日:2018年10月18日 トピックス    

写真・文/ロードライダー編集部  記事提供/ロードライダー編集部
※この記事は「ロードライダー vol.414」に掲載された内容を再編集したものです。

ホンダ・CB-Fヒストリー1983年編/1100Fを追加し750Fは生産を終了、旗艦としてのCB-Fはシリーズ終結への画像

欧米向けに1100を追加して
旗艦としての空冷4気筒をいったん終了

CB-Fシリーズが展開した時代は、世界的にバイクが注目され、日本でも空前のバイクブームが起こっていた。モデルスパンはそれまでの5~10年から、2~4年にと一気に短くなり、その間の進化のスピード、ステップは格段に速く、大きくなっていた。CB-Fはちょうどそのさなかにあったシリーズだった。

多バルブ化、水冷化、軽量・高剛性化、カウル装着。タイヤやブレーキ、サスなど補機類も目まぐるしく変わり始めた。それを1982年型FCで反映し、1983年型FDでは限定車CB1100Rのテクノロジーをより身近に感じてもらおうとCB1100Fが欧州/北米に新追加される。φ70×69mm/1,062cc、9枚フィンシリンダー、900Fから1mmボア拡大したφ33mmキャブ、4→8段のオイルクーラー、また2.50-18/3.00-17サイズとなりCB-F系で唯一リア17インチ化したホイールのサイズ、φ39mmフォークや角断面化したスイングアームは欧米の両仕様で共通だった。

ホンダ・CB-Fヒストリー1983年編/1100Fを追加し750Fは生産を終了、旗艦としてのCB-Fはシリーズ終結への画像

CB1100FD(欧州)/■ホイール 2.50-18/3.00-17(欧州:ブーメランコムスター/北米:6本スポークキャスト) ■フロントフォーク φ39mm正立+TRAC オフセット45mm ■キャスター 27度10分/トレール 110mm

写真は欧州仕様のCB1100FD。従来のCB-Fと同様のノンカウル+丸型ヘッドライトでアルミ鍛造ハンドル仕様、ホイールはブーメランコムスターで、グラブバーを装備。110ps。

ホンダ・CB-Fヒストリー1983年編/1100Fを追加し750Fは生産を終了、旗艦としてのCB-Fはシリーズ終結への画像

CB1100FD(北米)/北米仕様CB1100FDは角型ヘッドライト+ビキニカウル/専用メーター+バーハンドルでホイールは6本スポークキャスト、106.5ps。ちなみに欧州仕様のみとなったCB900FDは一部カラー変更とグラブバー追加以外は基本的に900FCの継承で、フォークはφ39mm、スイングアームは丸断面、ホイールは2.50-18/3.50-18サイズのブーメランコムスター。

ホンダ・CB-Fヒストリー1983年編/1100Fを追加し750Fは生産を終了、旗艦としてのCB-Fはシリーズ終結への画像

CB900F2D(欧州)/ハーフカウル仕様のCB900F2DもF2Cを元に、CB900FD同様の変更を受けている。なお一部地域では翌'84年もこのCB1100FD/900FDが継続販売(どちらもFEとしては作られてはおらず、FDそのままを販売)され、空冷直4による旗艦モデルとしてのCB-Fシリーズは終結する。

RCBの資質を受け継いだ
レースホモロゲーションモデル

ホンダ・CB-Fヒストリー1983年編/1100Fを追加し750Fは生産を終了、旗艦としてのCB-Fはシリーズ終結への画像

1982 CB1100RC

CB750F市販以前には、CB750Fourをベースに、シリンダーヘッドをDOHC化したり排気量を拡大するなどしたホンダファクトリーレーサーのRCBがあり、これは欧州耐久選手権等で“無敵艦隊”の異名を取るほどに活躍した。

当然ながらCB-FもRCB譲りのエンジン/車体系を生かしてプロダクションレースやAMAスーパーバイクで活躍するのだが、その流れを汲んだのが、CB1100Rだ。改造範囲が狭く1,000cc以上でも参戦可能な世界各地のプロダクションレース用に、900Fを5.5mm拡大し1062.2ccとしたエンジンを製作。これをホンダ社内チーム、ブルーヘルメットMSCが1979年8耐で3位入賞した車両の数値で作ったフレームに積んだ限定車だった。

ホンダ・CB-Fヒストリー1983年編/1100Fを追加し750Fは生産を終了、旗艦としてのCB-Fはシリーズ終結への画像

1983 CB1100RD

CB1100Rも1983年型RDが最終型となる。CB1100RCの基本を継承しつつFRPカウルのフロント側形状を変更し、スイングアームは丸型鋼管→同角型になる。フューエルタンクは引き続きアルミ製、フレームもCB-Fでは右ダウンチューブ分割式だったのがCB-Rでは剛性優先で一体式とし、エンジンもリジッドマウント。φ70mmセミ鍛造ピストンや10.0:1の圧縮比などで115psというスペックもCB-Rシリーズでほぼ継続。RC/RDではタンデムステップも付属した

ロードゴーイングレーサー“R”も追加

ホンダ・CB-Fヒストリー1983年編/1100Fを追加し750Fは生産を終了、旗艦としてのCB-Fはシリーズ終結への画像

CB1100RB-Ⅱ

CB1100RにはRB-Ⅰ/RB-Ⅱ/RC/RD全4タイプがあり、初期型CB1100RB-Ⅰはノンカウルで、1980年夏に少量生産された。それから間を開けずに1981年型CB1100RB-Ⅱ(SC05)が後期CBX(CBX-2)ベースのハーフカウルをまとって登場、1980年10月、豪州のカストロール6時間耐久レースでデビューウィンを遂げる。そしてCB1100Rは'82年型CB1100RC(SC08)で改良・フルカウル化される。

FFフォークもRBのφ37mm+エアアシストからφ39mm+TRACとなり、フォークオフセットは45mmを継続。ホイールはRBの2.50-19/2.75-18からF18化して2.50-18/3.00-18サイズに。リア用にオプションでワイドな3.50-18ホイールも用意された。φ296mmブレーキディスクはこのRCでベンチレーテッドディスクにと、CB-Fシリーズ同様に1982年型で大きく変わった。1983年のRDまで展開したのも、下と同じだ。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索