掲載日:2018年11月29日 トピックス
取材協力/Honda, ITA(Italian Trade Agency) Text&Photo / Ryo Tsuchiyama
2018年11月6日からイタリア・ミラノで開催されたEICMA2018(ミラノショー)。モーターショーのメーカーブースといえば、新型車やレーシングマシンがズラリと並ぶのが当たり前の風景だった。しかし、近年は多くの二輪メーカーがカスタムカルチャーへの歩み寄りを強めていることもあって、メーカーブースにカスタムビルダーの手がけた車両が並ぶことも当たり前になってきた。
2018年のミラノショーで、ホンダはNeo Sports Café Concept(ネオ・スポーツ・カフェ・コンセプト)の専用コーナーを設けていたが、そこには欧州のカスタムビルダーが手がけたCB1000Rのカスタムマシンの姿もあった。4発ネイキッドのカスタムといえば、日本のカスタムシーンを牽引してきたジャンルではあるけれど、欧州のカスタムビルダーたちも独創的なアプローチで数々のカスタムマシンを生み出し続けている。今回はホンダブースに展示してあった5台のCB1000Rカスタムをじっくり紹介しよう。
欧州でホンダ製品の販売を行う「Honda Motor Europe(ホンダ・モーター・ヨーロッパ)」のイタリア法人「HME-IT」が展示していた、「CB1000R SPECIAL "HME-IT SPECIAL EDITION CONCEPT"」。スポーツイメージを引き立てるトリコロールでまとめた1台。
サイレンサーはSC-PROJECTの2本出し。MotoGPでもエキゾーストシステムを多くのチームに供給するSC-PROJECTだが、このマシンに装着されているラジエーターシュラウドやタンク下のニーグリップカバーなどのカーボンパーツもSC-PROJECT製。シングルシートカバーやアルカンターラシートは日本国内でもCB1000R用のオプションとして用意されているパーツだ。タンク上には「LIMITED EDITION 000/200」との文字があることから、イタリアでは200台限定のコンプリートパッケージとして発売予定なのかもしれない。
ドイツの公道を封鎖して行われ、近年世界的な注目を集めるドラッグレース「Glemseck 101(グレムセック)」用の「CB1000R SPECIAL Glemseck 101」。このマシンはBSB(ブリティッシュ・スーパーバイク選手権)や耐久レース、ロードレースのチームが本拠地を構えるイギリス・ラウスのホンダレーシングUKが製作したもので、2018年のGlemseck 101ではWGPのレジェンド、マイケル・ドゥーハンが走らせた。
前後にオーリンズサスペンションを装備して足周りをゴールドで統一したマシンはカスタムアピール度も抜群! 外装もトリコロールでまとめてホンダファンにはたまらない仕様だ。
フロントカウルと呼ぶには小ぶりなライトカウルには「1」の文字が。このマシンを走らせたWGP500ccの元チャンピオン、ドゥーハンへのリスペクトだろう。
ほぼストックのままと言えるハンドル周り。ガソリンタンク上にはGlemseck 101のロゴマークが入る。ちなみに今年のGlemseck 101で、ホンダはこのCB1000R以外にモンキー125、CB750、CX500、GL1000のカスタム車も展示。Glemseckはいまやメーカーがプロモーションに力を入れる一大イベントなのだ。
シングルシートカバーが装着されたリア周り。ドラッグレース用ということでウインカーは取り外されているが、テールランプは生かされたまま。
前後サスペンションはオーリンズで固めている。リアサスペンションはオーリンズの最高峰モデルTTXを装備する。
ロングスイングアーム化された圧巻のリアエンド。純正スイングアームは途中でカットされて10cm近く延長されている。タイヤは前後ともにダンロップのレインを履く。
4in1の集合管はアクラポヴィッチ(Akrapocic)製で、Glemseck101のロゴ入り。
ロングスイングアーム化されたことと、ゴールドにペイントされたホイールによって「片持ち」がより強調されたリアエンド。見た目には派手な車両だが、ロンスイ化以外ではストックのスタイルを大きく崩していないのもポイント。つまり一般ユーザーにとっても再現性のあるカスタムなのだ。
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