掲載日:2017年07月14日 トピックス
文/山下 剛
ネクスコ東日本とネクスコ中日本は、2017年7月14日から11月30日までの期間に限り、首都圏の高速道路が最大2日間2,500円で乗り放題となる「首都圏ツーリングプラン」をスタートさせた。
これはネクスコ初となるバイク限定のキャンペーンで、高速道路料金にバイク専用が設けられる画期的な施策だ。これが何を意味するかというと、現在は軽自動車と同枠となっている通行料金に、新たにバイク枠が設定される可能性が現実味を帯びてきたということだ。
かねてより全国オートバイ協同組合連合会(AJ)がロビー活動を行い、自民党オートバイ議員連盟とともに働きかけてきた「高速道路におけるバイクの通行料金の適正化」の第一歩ともいえる。
AJは「普通車の0.5倍」を妥当として、国交省にバイク料金の是正を要望している。現在は軽自動車とともに「普通車の0.8倍」の料金だから、今後この要望が通れば、今よりももっと気軽にバイクツーリングで高速道路を利用できるようになるのだ。
しかし、まだ安心はできない。
今回のツーリングプランは、高速道路の料金適正化の試金石ともいえる。つまり、長期的な料金改訂を行なう前にどれだけの効果を見込めるのかを試す第一段階でもあるのだ。
ということは、もしも今回のツーリングプランの利用者が少なかった場合「バイクユーザーは高速道路料金の改訂を望んでいない」と判断され、バイク通行料金の適正化が白紙に戻ってしまう危険があるのだ。
だからこそ、バイクユーザーは今回のツーリングプランを積極的に利用していきたい。関東圏に在住のライダーが1回利用するだけでもかなりの効果を期待できる。まずは「バイクユーザーは高速道路料金の適正化(値下げ)を望んでいる」ということを、ツーリングプランを利用することでアピールするのだ。期間は11月30日まであるから、利用する機会にも余裕はある。もちろん利用すればするほど、その効果は高まる。
とはいえ、今回のツーリングプランは試金石でもあるだけに、いくつかの問題点もある。
①については国交省もネクスコもETCを推進していく立場にある以上、一般車両への波及は難しいと考えるのが妥当だ。また②については、初めての試みということで利用者を見込みやすい首都圏に限定したのだと推測できる。
しかし③は利用者を限定してしまっているし、④と⑤は利用者に対する手間が多すぎて、気軽な利用を妨げている。
また、実際に利用すれば他の不満点も出てくることだろう。そうした要改善点を、国交省とネクスコに意見として伝えることも重要だ。次回のツーリングプラン、また対象エリアの拡大の際に、より使いやすく、もっと気軽に利用できるようになるからだ。
下記にネクスコ2社と国交省への問い合わせ先を記しておく。バイクを取り囲む環境をもっとよくしたいと思うなら、ぜひ一度はツーリングプランを利用し、さらに関係各所へ意見を述べることが大切だ。
バイクユーザーの年齢層が40代中盤から50代といわれる今、目先のことだけでなく将来を見据えて行動することこそ、大人のバイク乗りといえるのではないだろうか。
電話■0570-024-024(ナビダイヤル)または03-5338-7524
ウェブサイト■http://www.e-nexco.co.jp/contact/
電話■0120-922-229(フリーダイヤル)または052-223-0333
ウェブサイト■http://highwaypost.c-nexco.co.jp/
電話■03-5253-4150
ウェブサイト■https://www1.mlit.go.jp:8088/hotline/cgi-bin/hotline06011.cgi
近年はETC車載器を最初から装備している車種も少なからずラインナップしている。ユーザーの手間を低減し、バイクのETC利用を促進する動きも見られる(写真はスズキ・ハヤブサ)。
ETCを利用するバイクが大前提となるプラン。くぐるゲートは「一般」ではなく「ETC専用」なので、くれぐれもご注意を。
都内に住むライダーにとって、一気に他県へと移動できる高速道路はとても便利なもの。インターチェンジへの進入は胸がときめく瞬間だ。
プランは「関越道・上信越道・東北道コース」、「東北道・常磐道コース」、「東関東道・館山道コース」、「東名・中央道コース」から選べる。実際の利用までは面倒かもしれないが、その先にはいつもよりお得なツーリングが待っている。
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