110年目のマン島TTレース!! その雰囲気をたっぷりお届け!!

掲載日:2017年06月15日 トピックス    

取材協力/マン島TT公式サイト  取材・写真・文/小林 ゆき

女の子にサインするガイ・マーチン選手。日本のチーム無限の神電六でも参戦します。マン島ではこんな小さい子供、女の子にもTTライダーは大人気です。

TTライダー、チーム、ツーリスト、マンクス……
名物マンからはっちゃけマンまでマンウォッチング!!

1907年から続く、現存する世界最古のモーターサイクルのレースが『マン島TTレース』です。2017年で110周年となったTTレースは、110年前と変わらず、1周約60kmの公道を閉鎖して行われる公道レースです。レースの方式も110年前と変わらず1台ずつ出走してトータルタイムを競う、タイムトライアル方式。したがって、ライダーは一番長いレースで6周、約360kmを走るわけです。

初期は「走る実験室」と呼ばれ、市販車の信頼性や燃費を競うレースでした。戦後は、現在のMotoGP、ロードレース世界グランプリ選手権シリーズの初開催の地に選ばれました。世界GPシリーズから外れたあとは、市販車ベースのTT F1クラスを発足。現在の世界スーパーバイク選手権の元となりました。

現在の開催クラスは、1,000ccの「スーパーバイク」、1,000ccの「スーパーストック」、600ccの「スーパースポーツ」、650ccで2気筒の「ライトウエイト」、600ccの「サイドカー」、ゼロエミッションで事実上の電動バイクレース「TT Zero」、そして最終レースの「シニアTT(スーパーバイク)」の各カテゴリーが行われています。

2016年までのコースレコードは、マイケル・ダンロップ選手の平均時速133.962mph (215.591km/h)、1周16分53秒929。公道レースとはいえ、かなりのハイスピードです。

TTレースのダイジェスト番組は世界中で約3億人もの視聴者があるということで、今年はヨーロッパ大陸からのツーリストが一段と増えたように感じます。

そんな歴史の長いTTレースでは、ツーリストの約7割がリピーターだそうです。長年通っている名物ライダーや名物チームも多く、今回は「はちゃけた」ツーリストから有名ライダー、名物ツーリストなどを、文化人類学のフィールドとしてマン島研究者でもあるバイクジャーナリストの小林ゆきが紹介していきます。

フォトTOPICS(写真点数/16枚)

01TTの前に北アイルランドで行われているノースウエスト200の転倒で大怪我を負ったジョン・マクギネス選手。現役最多のTT23勝しているレジェンドで、日本のチーム無限の神電六にも乗る予定でしたが、残念ながらTT参戦21年目はお休みとなってしまいました。

02マクギネス選手の足にはフレームが……。イギリスの自宅で療養していましたが、TTウイーク直前にドクターの許可がおり、急遽マン島にフェリーで渡ってきたそうです。

03ニュージーランド人のブルース・アンスティ選手。マクギネス選手の代役でTT Zero出走の「神電六」に乗ることになりました。また、スーパーバイククラスでは昨年に引き続き、RC213Vでの出場が話題に。

04日本人唯一参戦の山中選手は、3年前にTTを見に来て、2年前からはTTの登竜門「マンクスグランプリ」に参戦。今年TT参戦が認められ、スーパースポーツクラスに出場しています。レース1は見事に完走しました。

05チームクルー全員がモヒカンないしカラフルカラーでおなじみの名物チーム。いつもチームクルーで来ていた方が、今年はサイドカーのパッセンジャーとして挑むことになったそうです。初参戦の人はオレンジ色のベストを着ることになっています。

06これからプラクティス(予選も兼ねた練習走行)に出走するサイドカーのチーム。ドライバーはニューカマーで、それを支える経験あるパッセンジャーは女性なんですね。サイドカーは女性パッセンジャーが何人も出場しています。

07サイドカーレース1が終わった直後のパークフェルメ(車両保管場所)。無事に完走した喜びが爆発します。2人はサイドカーのレジェンド、ロイとローズ・ハンクス夫妻。ロイは今年引退、ローズはTTで唯一、女性で表彰台に上っているパッセンジャーです。

08パドックに大きくテントを出店し、さながらアライビレッジの様相を醸し出しているアライヘルメットの日本人スタッフさん。7年目と初TTのコンビです。レースサポートだけでなく、一般ライダーへのサポートやヘルメットの展示を行っています。

09TTレースは大勢のボランティアで支えられています。スタート地点に出場国の国旗を掲示するのはスカウトの子供たち。110年前から変わらない光景です。

10レースのスタート前、縁石に座ってリラックスする選手を撮っていたら、後ろの子供たちが自動的にサムアップしてくれました。

11ケータリングフードのお店のおねえさんたちもノリノリです! TTは地元の人たちにとってお祭りでもあるので、島の人みんながわくわくそわそわ浮かれた雰囲気になります。

12お笑いスタントバイクチーム、パープルヘルメットの皆さん。この小汚いバイク、小汚いウエアでオモシロおかしいバイクショーを開催しています。人間を寝かせてその上をジャンプ! と見せかけて轢いてしまうとか……(もちろんコートの中はしっかりプロテクションされたウエアを着ています)。

13スイスからマン島に通って25年のコニさん。ものすごいバッジの数で、バッジマンとして名物になっています。

14地元のライダーさん。何気なく乗っているスーパーカブも、なんだかかっこいいビンテージに見えてくるから不思議です。

15TTウイークだけダグラスの港に臨時テントでビアホールを出店するブッシーズ。ものすごい人が押し寄せ、日に日に地面がこぼれたビールでねちゃねちゃになっていきます。

16チームの人たちなのか、ツーリストなのか……。ちょいちょい浮かれポンチに遭遇するのもTTの楽しいところ。みんな、全力で楽しんでいます!!

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