廃校になった木造校舎と校庭を使った「モトカフェ木沢小学校」イベントレポート

かつては児童達の学びや遊びの場となっていた校庭に、この日はバイクがズラリと。晴れ渡りながらも、カラリとした心地良い暑さの機構もあってか、ピーク時には満員御礼の札止め!?　入りきれないほどの盛況となりました。

木造校舎とバイク、そしてコーヒー
モトカフェ木沢小学校

廃校になった木造校舎とその校庭を使ったバイク乗りのためのイベント『モトカフェ木沢小学校』が、2017年5月27・28日（土・日）に開催されました。これは地域振興の一環として2015年の5月から始められ、以降は春と秋に実施されています。

基本的にはカフェメニューをメインとしたドリンクやフード類の有料提供のみで、トークショーなどのプログラムは組まれていません。にもかかわらず、リピーターが少なくないのは、好きな時間にフラッと来てフラッと帰れる、そんな『ゆるさ』が魅力となっているのでしょう。

記者が訪れた28日は、晴天に恵まれ来場者数は過去最高を記録。ピーク時には駐車スペースの旧校庭にバイクが収まらないほどでした。その駐車場に並ぶバイクの車種がバラエティに富んでいて、中には初めて目にしたモデルもあったりして、それらを見て唸ったり驚愕したり、オーナーさんに声を掛けて話を聞いてみるのも面白く楽しいものです。

会場の旧木沢小学校は、1932年に竣工した木造2階建ての校舎で、児童数の減少から1991年に廃校になり、現在は地元の有志の方々によって保存されています。最寄りの高速インターは中央道の飯田になりますが、そこからさらに1時間弱の場所にあります。

旧木沢小学校のある地域の遠山郷（南信濃）には、ツーリングや観光スポットが幾つかあります。旧木沢小学校自体もそのひとつですが、そこから少し足を伸ばせば『日本のチロル』とも言われる下栗の里や、しらびそ高原があり、また道の駅遠山郷には温泉施設『かぐらの湯』も開設されています。それらを訪ねるついでに立ち寄ってブレイクタイムを過ごすのもアリでしょう。

モトカフェ木沢小学校2017年の春の回は、2日間とも天候に恵まれたこともあって盛況のうちに幕を閉じました。次回は2017年の秋の開催が予定されています。旧びた校舎と樹木の緑という組み合わせの中で味わうコーヒーも『味なもの』です。

フォトTOPICS（写真点数／11枚）

01木造校舎（画面向かって右）の前に設けられたカフェ部分は保健所の許可を得た2台の移動販売車がまかなっています。来場者の休憩スペースの一部には、かつては校舎内で使われていた机と椅子も利用されています。

02メインとなるコーヒーは、オーダーを受けてから豆を挽いて淹れられています。そのためピーク時には提供まで少し時間が掛かることがありますが、ノンビリと待ちたいものです。

03フード類は、向かって左がパテに鹿肉も用いられた遠山ジビエバーガー。個数限定のため入荷と同時に完売となる人気フードです。右は今回から新しく加わった沖縄の揚げパン。中の具はタコミートと紅いもの2種類。木沢地区は沖縄の方々と交流があるそうで、その縁でメニューに加わりました。

04現在の旧木沢小学校で『校長先生』と親しまれているのが猫の『タカネ』。いわゆる地域猫で、彼女に会うのを目的に訪れる方も多いのです。暑かったからか、この日は校庭には現れず、撮影時には校内でお休み中。

05カフェスペースでは『モトカフェ応援グッズ』の販売も。トートバッグやTシャツなどがあり、タカネ校長をモチーフにした猫の顔もプリントされていました。

06ここからは来場者のバイクを一部ですが、お目にかけましょう。まずはホンダ・X-ADV。スクーターフォルムにアドベンチャー要素を採り入れたモデルです。今春発売となったバリバリのニューマシンで、注目度も高かったです。

07カスタマイズされたカワサキW650。モチーフとなったのはW1で、その出来映えはお見事！　エンジンを見るまでW1だと思い込んでしまったぐらいですから。

08スズキ・GSX1100Sカタナ。デビューから既に30年以上経っていますが、その独特なフィルムは全く色褪せていません。当初国内仕様は750のみで、本来の姿であるセパハンにした車両を取り締まる『カタナ狩り』なども行なわれました。

09ヤマハ・ブロンコ。デビューは1997年なので、今年で20周年になるモデルです。セロー225をベースにDT-1をイメージとする仕上げとされています。カメラを向けると手を上げて会場を去られていきました。

10輸入車もドゥカティやハーレーなどが訪れていましたが、この日多かったのはBMWでした。こちらはRナインティで、スタイルはクラシカルテイストですが、足回りやブレーキは現代的とされており、新たなユーザー層を獲得したモデルです。

11モトカフェ木沢小学校実行委委員会の皆様。オーダーの受付から、ドリンクやフードの調理、車輌の誘導などなど2日間に渡りお疲れ様でした。イベント自体が営利目的ではなく、スタッフの方々も無給のボランティアで、それぞれの役割を楽しみつつ担っています。