ヤマハのニューセロー250はワインディングからダートまで網羅する熟成されたエンジン特性

掲載日:2018年10月25日 トピックス    

ライダー/小林直樹 写真/長谷川徹 まとめ/小川浩康
※この記事は「月刊ガルル vol.391」に掲載された内容を再編集したものです。

ヤマハのニューセロー250はワインディングからダートまで網羅する熟成されたエンジン特性

セロー250の軽い車体と一体感のあるポジションがワインディングを楽しくしてくれる

セロー250の林道での走りについては前回お伝えしたとおりだ。しかしワインディングでは一転して、コンパクトなポジションがバイクとの一体感を高めてくれる。コーナーの進入でリーンインやリーンアウトのフォームをとらず、リーンウィズのままで少し傾けてやれば、車体はスーッと向きを変えてくれる。この時に車重の軽さが生きてきて、ブレーキもよく効くし、イン側に切れ込みすぎることもなく、狙ったラインでピタッと走って行ける。

ヤマハのニューセロー250はワインディングからダートまで網羅する熟成されたエンジン特性

3速で回るような中高速コーナーでもトルクが出てくるから、立ち上がりでモタモタする感じもない。リッタークラスのアドベンチャーモデルのようなドンと出るパワーはないけれど、車体の軽さのおかげでパワーも充分足りている。むしろS字コーナーでの左右の切り返しやすさやタイトコーナーでの取りまわしは、セローのほうがクイックだし、余計なお釣りも出ないのでコントロールしやすく安心だ。

今回ABSの装着は見送られたけれど、常識的なペースでワインディングを楽しむ範囲なら、制動力に不満は感じないと思う。もちろん急制動するような状況ではABSを装備しているほうが安心感は高まるけれどね。今後はABS装着が義務となるので、次期セロー250には装着されると思うけれど。

エンジンの使える幅が広くなり
さまざまな路面を安定して走破できる!

セロー225からセロー250になった時に、極低速トルクが少し薄くなった。その代わりに頭打ち感がなくなり、より高回転まで使えるようになった。今回のモデルチェンジでも、ダートでの極低速トルクは若干薄くなったように感じたけれど、路面や標高が変わってもエンジンのツキや回転上昇のスムーズさが変わらなくなった。

路面状況によってタイヤのグリップ力は変わってくるけれど、エンジン特性にバラツキがなくなったので、路面状況に合わせてボディアクションの量を変化させてやれば、同じ感覚でライディングできるようになった。これはやっぱりO2センサーと軽い車体のおかげだろうね。ボディアクションに対する車体の反応が予想できるから、安心してダートライディングができる。不安がないからミスしにくく、それがセローの走破性の高さになっているんだ。

ヤマハのニューセロー250はワインディングからダートまで網羅する熟成されたエンジン特性

今回のモデルチェンジでスペックデータの変更はあったけれど、エンジン特性がより安定したことで、デメリットは感じられなかった。トレッキング性能を損なわず、オンオフモデルとしての扱いやすさを向上しているのだから、まさに正常進化だよね。このニューセロー250の乗り味こそ、セローらしさだと思うよ。

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