掲載日:2018年10月19日 トピックス
ライダー/小林直樹 写真/長谷川徹 まとめ/小川浩康
※この記事は「月刊ガルル vol.391」に掲載された内容を再編集したものです。
これまで所有したことはなかったけれど、セロー225時代から乗る機会は多かったんだ。コンパクトで足着き性のいい車体は軽量で、極低速トルクが太いエンジン。こうした特徴は、歩くようなスピードで走ってもエンストのしにくさになっている。だから、野山に分け入るトレッキングに最適なんだ。さらに極低速トルクの太さは、アクセル開け始めのレスポンスのよさにもなっている。それがフロントアップやジャックナイフといったアクションライディングのしやすさにもなっていたんだ。
排ガス規制でのパワーダウンを低減するために、排気量を250㏄へ拡大してフルモデルチェンジしたけれど、それで車重も重くなった。ただ、排気量アップでトルクとパワーに余裕ができたので、増量分はしっかりカバーされていた。225時代の高速道路移動は苦行でしかなかったけれど、250になって100㎞/h巡航は余裕でこなせるようになったよね。
その後、インジェクション化されてからはアクセルレスポンスがよくなり、マシンコントロール性も格段によくなった。セローらしいトレッキング性能はそのままに、オンオフを走るトレールバイクとして完成されたのが、2008年モデルのセロー250だとおれは思っている。
それから10年が経って、新たな排ガス規制をクリアした新たなセロー250が登場。何が変わっているのか? そこを見極めるために、さまざまな路面を走り込んでみた。
より厳しくなった排ガス規制をクリアしたのは大変なことだとは思うのだけど、それでセロー250の走りがスポイルされていたら……。
でも、そんな不安は走り出した一瞬でなくなった。アクセル開け始めからトルクが出てきて、パワーもアクセルを開けた分だけ出てくる。アクセル操作に対してエンジンがダイレクトに反応してくれるから、加速感もよく感じる。実際、アクセルを大きく開けなくても、トルクがぐっと出てくるパワーバンド(アイドリングから少しアクセルを開けていった)付近をキープしてシフトアップすれば、ストレスのない加速力を発揮してくれる。
車体が重くなったと聞いたけれど、押し引きでも走行中でも体感できなかったし、ハンドリングは軽快そのものだった。ブレーキも前後同じタッチで制動力も不満なし。コンパクトで足着き性のいい車体はそのままで、セローの持ち味である極低速トルクも健在だったから、ゴー&ストップの多い市街地でのマシンコントロールは相変わらずしやすかった。
もともとエンストしにくいエンジンだったけれど、万が一エンストしてもパッと足を着けるのは、小柄なライダーだけでなく誰もが安心を感じられるセローのメリットだよね。それと新たに採用されたLEDテールライトが明るい。後続車へのアピール度も上がっているので、これも安心感になっているね。
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