スズキ RM-Z450(2014)
スズキ RM-Z450(2014)

スズキ RM-Z450(2014) – 世界中で活躍するチャンピオンイエローのコンペマシン

掲載日:2013年11月15日 試乗インプレ・レビュー    

インプレッション/辻 健二郎  まとめ/ダートライド編集部  写真/佐藤 春道  取材協力/ウエストポイント

スズキ RM-Z450(2014)の試乗インプレッション

スズキ RM-Z450(2014)の画像

空け口と高回転で特性の変わるエンジン
接地感高い足回りが好印象

小さな変更に留まったRM-Z450の試乗は、埼玉県にあるオフロードヴィレッジをお借りして実施した。連日雨が降る週で、取材日も時折強まるようなコンディション。路面は全体的にマディで、特にアクセルコントロールに気を使う状況となった。

車体を1日丸々借り受けてのインプレッションとなったので、フリーセッションとして、テストを行った。ここからは国際A級ライダーの辻 健二郎選手にバトンタッチして、その実力を分析してみたい。

スズキ RM-Z450(2014)の画像

「路面コンディションが悪く、滑りやすくラインの選べないコースでのインプレッションでした。マシンに跨った瞬間、フロントタイヤがライダー側に寄っているような車体の短い印象を受け、450ccなのにコンパクトな感じがありました。エンジンをかけた際にも、450にしては意外にも簡単に始動出来、同社の250同様“4ストローク特有のエンジンのかかり辛い心配”を持たなくて済みそうです。

コースに入り走り始めてみると、思った以上に低回転・低開度でのレスポンスがマイルドで、その付近の扱い易さを感じます。450に多い、アクセル操作にリニアな反応で、低回転・低開度からでもフロントが引っ張られるような力強いレスポンス、というものではなく、マイルドでありながらしっかり反応する特性になっています。若干、450らしさが薄く繊細さがあるのでは、と思うキャラクターでもあります。ただ、アクセルを開け込んだ時に発生するトルク上昇では、扱い易いマイルドな開け口付近のキャラクターとは違い、アクセル開度にリニアに反応してくれます。当日の非常に滑りやすい路面にもかかわらず、立ち上がりなどでスライドコントロールしながら加速出来るコントロール性の高さと力強いトルクを感じました。開け口のマイルドさとトルクの強いゾーンでは、例えて言うならスイッチが入り人が変わったような印象を受けるキャラクターの変化がある程です。

スズキ RM-Z450(2014)の画像

高回転付近は、この日の路面状況が影響してしまい、なかなか力強いパワーバンドに繋がらなかったのでコンディションの良いもっとハイスピードな状況でマシンを走らせてみたくなりました。恐らく、きれいに吹け切るようなエンジンではないと思いますが、高速域までトルク先行でマシンを押し出してくれるのではないかと思います。250ccのように回転に依存させパワーを引き出さなくてもトルクの太い部分がライダーの要求に対応してくれる、トルクバンドが広い特性なのでは、と推測します。

スズキ RM-Z450(2014)の画像

走っての車体の感じは、跨った時に感じたコンパクトな感じが、キャスターの立ちからくるものではないか、という印象です。フロント荷重の傾向でフロントタイヤの接地感(路面に貼り付く感じ)が長く、リア周りが高く感じます。比較的低速コーナーでは、キッカケのあるレールやバンクで450特有の大きさと重さを感じず、非常に素直にマシンが倒れてくれ、とても軽快な印象です。フレームにしっかりとした軸があり、ライダーがマシンの慣性を感じ易いので、意思疎通のレベルが高いようです。先に挙げた、滑りやすい路面でのスライドをさせながらの加速では、エンジンと車体のマッチングが高く、路面に伝わるエネルギーがロスする事なく加速に繋げ続けられていると感じました。フレームバランスとリアショックが良い仕事をしてくれているのでしょう。

スズキ RM-Z450(2014)の画像

一転、スピードの高いフラットコーナー進入では、接地感が高いので良く曲がりそうな感じを持つのですが、そのようなシチュエーションだとフロントの安定感が薄くなり、曲がり辛い感覚を何度も感じました。RM-Z250でも感じた、コンディションの悪い路面でのフラットジャンプ着地でも安定を欠いた挙動がありました。

しかし、全体的にはコントロール性の高い低回転域の扱いやすいトルク感は、幅広いゾーンへ対応できる良さだと感じます。力強いトルクバンドも開け口からの繋がりの良さで、レーシーなライドの武器になるでしょうね。レーサーらしいキャラクターの持ち主です。」

スズキ RM-Z450(2014)の詳細写真は次ページにて

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