

掲載日:2013年08月23日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/ダートライド編集部
スーパーモタード車である証の前後17インチのオンロードタイヤ。専用設定のIRC製RX-01タイヤのグリップ力や動性能は、抜群の性能を誇る。ブラックモデルは写真の金色、レッドモデルはブラックフィニッシュとなり足回りを引き締める。
モタード化にともない、リアサスペンションのセッティングを変更したという。ストロークはオフロードモデルと一緒の、アクスルトラベル量240mm。ホンダが得意とするプロリンクと組み合わされる。ユニットはショーワ製。
フロント周りはサスペンションのセッティングも含め、オフロードモデルと共通の外観となる。このサスペンションは非常に良く出来ている(ショーワ製)。ヘッドライト周りがやや主張して見えるのは、ベースのCRF250Lがグローバルモデルで、どの国に出荷しても法規制をクリア出来るようにしているため。
リア周りは一体鋳造製法のアルミ製スイングアームを含め、17インチ化とオンロードタイヤ装着以外はオフロードモデルと共通。このアルミ一体鋳造は、自由度の高い形状を可能とする製法で、スイングアームの強度を確保すると同時に、適切な剛性バランスを得る事が可能で、軽快な乗り心地を実現したという。
スーパーモタード車である事を強調するかのような、大径化されたフロントブレーキ。ローター径はφ296mmとなりフローティングもされている。このブレーキは専用のIRC製タイヤと共に『M』のキモで、独特のフィーリングがあるがサスペンションの過度のピッチングを抑えながらもしっかり制動出来る作りとなっている。
心臓部であるエンジンは水冷4ストロークDOHCと、規格としてはベーシックなものだが、オフセットシリンダーを採用(排気側に4mm)したり、共通のCBR250Rよりもクラッチ強化などをしている。ギアレシオはCRF250Lに対し、2次減速比を調整して、トータルではごく僅かだがLよりショート設定とし、きびきび感の出る方向としている。
公道モタード車としては珍しい、制振ゴムが備わらないワイドフットペグ。可倒式でないシフトペダルを含め、「求めやすい価格設定」とするため、気持ち足らないと感じる部分がなくはないが、アフターパーツが徐々に増えているのでそれでフォロー出来る範囲。
ラジエーターは全体の重量バランスを考え、車体左側にだけ備わる設計。放熱量は10.7kWとなり、薄型ガイドリング式のクーリングファンを装備し、低速運転時にも安定して適切な水温を保てるようになっている。右側にはリザーブタンクと電装部品が配置され、従来電装品等があったシート回りをスリム化する事に成功している。
Lと共通で、特に車体を振り回すオフロード走行では問題とされやすい、質量的にはやや不利なサイレンサー周り。各国の基準をクリアするための結果だと思うが、スポーツ走行を目指すのであればパーツ換装したい。基準をクリアしながらサイドカバーも取り外す必要のない、純正カスタマイズパーツがお薦めだ。
街乗りで必要となるユーティリティ装備は荷掛けフックが4つと、ヘルメットホルダーと最低限の装備。スポーティさとCRFレースマシンの意匠を継承したためだろう。テールライト周りはウィンカーも含めごっそりと簡単に外せるようになっているのは、さすがホンダ。簡単に週末レーサーに化けられる。
CRFレースマシンのサイドゼッケンを意識したというツールボックス。車載工具が標準で備わり、その上に僅かながらのポケットがある。キーロックが可能なので法定書類を収める事も可能。
ハンドル左部のスイッチレイアウトはLの時から賛否が分かれるもので、ウィンカーとホーンの位置が独特という声が多い。この価格帯でハザード機能を備える点はうれしいところ。グリップデザインはCRFレーサーを意識している。
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