ホンダ XR230 – 「あと少し」に挑戦したくなる乗りやすさが最大の魅力

ホンダ XR230の特徴

小さな車体と組み合わされる
無駄を排したシンプルな装備

XR230は、トレールバイクらしくシンプルな装備が特徴だ。特殊なギミックはなく、荷掛けフックやヘルメットホルダーなど必要最低限の装備とセルスターターを備えているのみ。キャブレターが組み合わされるOHC単気筒エンジンは熟成が重ねられており、XRシリーズらしく、低中速域での粘り強さと 高い耐久性を持っている。燃費に関しても良好な数値を記録しており、今回の試乗でもリッター27km前後をマーク。タンク容量は8.7リットルだが 200km以上の走行が可能だ。ブレーキは前後ディスクブレーキを採用しており、こちらはコントロール性を重視した味付けになっている。ホイールサイズは トレールバイクとして標準的なフロント21インチ、リア18インチの構成で、オフロードでの走破性と市街地での快適性のバランスを重視したタイヤを選択し ている。パーツごとの派手さこそないが、オフロード走行に必要な要素はすべて含まれている。

XR230の中でも特に注目して欲しいのは、シート高の低さと車体の軽さだ。174cmの筆者だと両足がべったりと着く低さは魅力的で、サスペン ションもソフトなため足つき性は数値で見る以上に良い。フルサイズのオフロードバイクでは足が着きづらい、女性や小柄なライダーでも不安なく走らせることができるだろう。車両重量は122kgとXR250に比べ10kg以上も軽く、取り回しは非常に軽快だ。例えば、林道で行き止まりに遭遇したとしても、一度降りれば簡単に車体の向きを変えられる。街中での走行や駐輪場への出し入れも、このサイズと重量ならば苦にならないだろう。小柄なXR230だが、使いやすさと乗りやすさは一級品。気軽に楽しめるトレールバイクとしておすすめできる1台となっている。