掲載日:2012年05月16日 バイク購入ガイド 件のユーザーレビュー
文/田宮 徹
07年にXR250が生産終了となって以降、軽二輪オフロードファンへの対応をXR230に頼ってきたホンダが、満を持して市場投入する12年のニューモデル。軽二輪クラス帯いっぱいの排気量となる249cc水冷単気筒エンジンを、スチール製フレームに搭載し、「On(日常)を便利に、Off(週末)を楽しむちょうどいい相棒」をテーマに開発されている。
エンジンは、前年に国内市場に投入されたフルカウルロードスポーツモデルのCBR250R用をベースとした、DOHC4バルブのショートストロークな249cc水冷単気筒。オフセットシリンダーやローラーロッカーアームなど、低フリクション化につながる技術が多数投入されている。もちろん、低中回転域でのトルク感を重視した、オフロード走行に向く性格へとチューンされ、最高出力はCBRより4馬力ダウンの23馬力だが、最大トルクはわずか0.1kgm減の2.2kgmが確保されている。同時に、高回転域での伸びのある回転フィーリングも追求されている。
一方で車体の中心となるフレームは、新設計となるスチール製ツインチューブタイプ。メインフレームを楕円断面構造とすることで、高い剛性とスリムな車体の両立を実現している。フロントフォークは、インナーチューブ径43mmでストローク量250mmの倒立タイプ。スプリングを右側、ダンパーを左側のみに内蔵した、セパレート・ファンクション構造となっている。このフロントフォークは、一切の調整機構を持たないが、プロリンク式リヤモノショックはプリロード調整が可能で、240mmのアクスルトラベルが確保されている。もちろん、前後ホイール径は21/18インチ。ブレーキは前後ともディスク式で、軽量でクリーニング性能に優れるウェーブ型となっている。シート高は875mmだ。
廉価に抑えられたモデルではあるが、リヤスイングアームにはアルミ素材を使い、ヘッドライトには60/55Wのマルチリフレクタータイプを採用するなど、安さを感じさせない設計が随所に施されている。既存のホンダオフロードファンのみならず、これからオフロードデビューを考えているひとや、基本的には日常の足として舗装路のみでバイクを使おうと考えているユーザーにも、ぜひチェックしてもらいたいモデルだ。