掲載日:2011年12月26日 オフロードFAQ › オフロードバイクの疑問
倒立フォークは正立フォークよりも高剛性、
正立は倒立よりしなやかでコスト面にも優れます。
一般的なオフロードバイクのフロントサスペンションに使われるフロントフォークは、テレスコピック(望遠鏡)式と呼ばれています。
このテレスコピック式フォークには現在、大きくわけて正立式と倒立式の2タイプがあります。正立式は、大径の筒が下側にあり、小径の筒とバイク側のクランプ部がつながっています。倒立式はこの逆で、太い筒と車体がクランプされています。
歴史を振り返ってみると、世界最初のテレスコピック式フロントフォーク(BMWの1935年型R12に採用)は、いまで言う倒立式でした。しかし、当時の技術では解決できない重量や構造の問題から、その後は正立式が普及しました。
70年代以降、レースの世界で倒立式が注目を集めるようになり、市販モトクロッサーでも89年型から採用開始。以降、オンオフ問わず公道用市販車にも使われるようになりました。
倒立フォークのメリットは、なによりも高剛性であることです。フォークのたわみが発生する場所は車体とのクランプ部付近。そこで、このセクションに太い筒を使った倒立フォークのほうが剛性が高くなります。オフロード走行の場合、ハイスピードでのギャップ通過時などに、フォークが高剛性であるメリットが感じられます。
一方でテレスコピックフォークには本来、適度なしなやかさというメリットもあり、その点では正立フォークのほうが優れています。また、生産コスト面でも、正立フォークのほうが有利です。さらに、現在では技術改良が進んでいますが、クランプ部と摺動部の関係から、正立式のほうがスムーズにストロークしやすい傾向があります。
文/田宮 徹
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