掲載日:2011年12月19日 オフロードFAQ › オフロードバイクの疑問
オフ車のシートが細くて長くて薄いのは、
様々なライディングフォームに対応するためです。
オフロードの走行では、さまざまなライディングポジションを取りながらバイクを操る必要があります。これに対応するため、オフロードバイクのシートは幅が狭く、前後に長く、クッションが少なめな仕様となっています。
例えば、ステップの上に立ったスタンディング走行の場合、シート幅がありすぎると内モモにシートが当たってしまい、うまく乗ることができません。シートに座ったシッティング走行では、極端な前乗りや後ろ乗りをすることもあるので、シートを長くする必要があります。また、リーンアウトでのコーナリング時にも、シートは細いほうが扱いやすくなります。そして、バイクの挙動を把握しやすくし、また暴れる車体をうまく押さえるためには、シートクッションがあまり厚くないほうが向いています。
さらに、オフロードバイクは最低地上高を確保した結果、シートポジションが高くなりがちなので、足つき性を少しでも良くするためにもシートを細くする必要があります。
ところがこれらのことから、オフ車での長距離走行時には、お尻が痛くなってしまうことがよくあります。シートが細く座面が小さいため、お尻の座圧が広く分散されないことが、ロードバイクに比べてお尻が痛くなりやすい原因とされています。
そこで、これらの対策グッズを販売しているアフターパーツブランドもあります。プロトから販売されている、ゲル(医療用具にも使われるEXGEL素材)を内蔵したバイク用座布団「ゲルザブD」もそのひとつ。これを装着することで、座面を少しでも広く確保して座面分散効果を高め、痛みや疲労を緩和することができます。
文/田宮 徹