Vol.24 海外産モタード車はレーシーさがポイント

掲載日:2014年08月26日 モタード魂    

海外産モタード車はレーシーさがポイント モタード魂

掲載日/2014年08月26日  文/小布施 倫行(CP sports)

レーシーさを求めるなら海外車という手も
独特で個性的なエクステリアも大きな魅力

前回から車両の紹介をしていますが、続いては海外モタード車です。国産モタード車と違うのは、性能面でカテゴリーに合った運動能力を持つ車種が多いということです。これは、国産車がスタイルこそモタード車、またはオフロード車ですが、スポーツ性能は優しい味付けで、あくまでも街乗りが主体になっているのに対し、海外車、特にヨーロッパ車は相当なスポーツ性能を持って市販している車両が多いのです。「レーシング」とまでは言わないものの、国産車に比べてレーシーであることは間違いないでしょう。

 

そこでひとつ気をつけて頂きたいのが、メンテナンスです。海外モタード車はその高い性能の分、トラブルに気をつけて定期的なメンテナンスをすることを忘れてはいけません。もっとも、ここで言うのはあくまで国産ノーマル車に比べての比率で、決して海外車が壊れやすいという意味ではありません。

 

実際、2011~12年に、市販モデルのハスクバーナ SMR449で全日本モタード選手権に出場し、優勝するほどのチューンナップを施しても壊れてリタイヤということは一度もありませんでした。同様に、市販モデルSM250Rでも2年間、こちらは殆どノーマルエンジンで全日本モタード選手権でのクラス最多勝利をノントラブルで記録してます。これは海外車だけのことでなく国産車も同じで、性能に見合ったメンテナンスが必要という意味を理解して乗ることが大切ですね。国産モタード車でも、チューニング次第ではトラブルの確率が上がるので、メンテナンスの重要性は覚えておいて下さい。

 

もう1つ、海外モタード車が国産と違うところは、ルックスと希少性です。見た目が独特で魅力ある点は、海外モタード車を語る上で外せません。登録台数も、少なくはありませんが、国産車全体と比べるとやはり少ないことには間違いありませんので、持っている満足度があります。

 

それでは、そのような海外車の中から主だった車両を紹介していきたいと思います。

 

 

<ハスクバーナ SMR250/400/450>

日本のモタードシーンにおいて、最も貢献したバイクです。年式によってキャブレター/インジェクションとありますが、どちらもパワフルなのに乗りやすく、コーナーリングは軽快でクセも殆どありません。街乗りからジムカーナ、レースまでこなす守備範囲の広さが特徴です。ハスクバーナは現在、KTM資本になり、ここで紹介するモデルは旧型になりますが、スリムでシンプルな車体は、未だに人気が高いです。バイク購入ガイドはこちら。

 

 

<ハスクバーナ SMR449/511>

SMR450の後継機種で、エンジンはBMW製がベースです。独特なコアキシャル機構のエンジンと足回り(リア)はクセがあるものの、軽快なハンドリングが特筆すべき点です。車体周りも独特で、通常のガソリンタンク部分はエアクリーナーボックスで、シート下にガソリンタンクが2つ繋がってあり、給油口はシート後になります。バイク購入ガイドはこちら。

 

 

<KTM 250/450EXC-SMR・250/450EXC-Fモタード仕様>

オレンジ色が特徴的なブランドで、海外モタード車においての代表機種と言えるバイクです。現在、レースの分野でも多く活躍しているメーカーになります。パワフル感は特筆するものがあり、スポーツ性能が高いバイクで、多くのファンを抱えています。アフターパーツも比較的多く、カスタム車を見かけることも少なくないです。EXC-Fはもともとはオフロードエンデューロ用のモデルで、これをモタード用にカスタムします。

 

 

<フサベル FS450/650e>

日本では希少車の部類に入る機種ですが、スポーツ性能は高いです。ヨーロッパの老舗メーカー製らしく、無駄のない作りとトルクフル、パワー感が魅力で、根強いファンがいます。現在はハスクバーナに統合され、フサベルというブランドはなくなりましたので、狙いは中古車になります。

 

 

<アプリリア SXV450/550>

市販モタード車、最強の機種でしょう。世界選手権でチャンピオンとなったマシンの性能を色濃く受け継いだバイクです。ユーザーレビューを見る。

 

 

<tm SMR250/450-F>

こちらも世界チャンピオンマシンの血を受け継がれているバイクで、まるでレーサーのようなスペックを持っています。パワフルなエンジンと高剛性フレームのマッチングは素晴らしいの一言です。

 

 

<KTM 125 DUKE & ハスクバーナ SMR125>

どちらも小柄ながらモタード車の特徴をしっかり捉えているバイクです。小排気量のモタード車ではこれ以上ないと言えるほど、完成度が高いです。コスト面や省スペース性などを考えると、国産車を含めても、最も手軽に本格的モタード体験が楽しめる2台です。

 

125 DUKEのバイク購入ガイドを見る。

SMR125のバイク購入ガイドを見る。

125 DUKE

SMR125

 

 

以下には、大型の車種を抜粋してみました。

 

ドゥカティ ハイパーモタード1100S

アプリリア ドルソデューロ750

ハスクバーナ ヌーダ900R

KTM 690SMC R、990SM T

 

これらのバイクは、大排気量もあって高速道路でもストレスを感じない機種です。同等クラスのロード車に比べると軽量でスリム。ハリウッド映画やセレブ所有などで何度か登場したバイクがこれらのモデルになります。

ハイパーモタード1100S

 

ハイパーモタード1100Sのバイク購入ガイドを見る。

アプリリア ドルソデューロ750のバイク購入ガイドを見る。

KTM 690SMC Rのバイク購入ガイドを見る。

KTM 990SM Tのバイク購入ガイドを見る。

 

 

以上が海外モタードを代表する車種の紹介ですが、これ以外にも並行輸入の車種や、海外でのカスタム車であるスーパーモト、レーシングモデルなど多くのモタード車が日本に入ってきています。モタード車に限っては、国産車より海外車のほうが多種多様なようで、その中でもヨーロッパ車には特別な魅力があります。

 

さて、今回お奨めするドレスアップアイテムは、ハンドガードとタイヤです。ハンドガードはレースでも使われているセーフティパーツで、ハンドル周りのスポーツ感を演出しながら、機能的にも優れているアイテムです。ルックス的には、カラー、かたち共に種類が多くあるので、好みからタイプを選べます。機能的には、ハンドルと手を、クルマやガードレール、ポール類に接触するような状況から守ってくれ、また転倒時にも手とレバー類を保護してくれます。取り付けは簡単で、グリップゴムのエンドをカッターで切り開き、その中空部分とハンドル中央付近にブラケットを付けて2箇所をボルトで固定するだけ。価格は3,000円~30,000円程で、パーツショップやバイクショップ、WEBショップなどで購入できます。モタード車のカスタムパーツとしては、メジャーな商品になります。

 

ZETA XCフラッシャープロテクター 7,900円(税抜)

ZETA XCフラッシャープロテクター 7,900円(税抜)

アチェルビス TRI FITハンドガード 14,000円(税抜)

アチェルビス TRI FITハンドガード 14,000円(税抜)

 

タイヤは、純正でも性能的に何も問題はないでのすが、国産車でのチューンナップや、スポーティな輸入車でよりレーシーに見せたりワンランク上の走りに、ハイグリップのサイズアップタイヤがお薦めです。こちらも色々なメーカーがあり迷いますが、ここでは有名ブランドを選ぶことをお薦めします。代表的なメーカーでは、ブリヂストン、ダンロップ、ミシュラン、ピレリ、メッツラーがあり、太めのサイズがリアビューを演出し、カッコ良く仕上がります。交換の際にはサイズを確認し、車種に合わない太さには気をつけて欲しいです。車種によりますが、フロントは110-17~125-17、リアは145-17~165-17あたりが一般的なサイズアップでしょう。

 

次回は、サイズアップホイール/キャストホイール、ブレーキシステムの紹介を予定してます、いよいよエキスパートレベルに近づいていきますので、楽しみにお待ちください。

 

 

小布施 倫行
Michiyuki Obuse

レーシングカートのワークス/開発を経て、ホンダ系でのワークスマシンの開発とレーシングスリックタイヤの開発を担当。1990年に長野でCP sportsを創業、事業を開始する。CP sports発足後はロードレース地方選手権チャンピオンを輩出、モトクロスでも全日本選手権で上位シングルのライダーを輩出し、1998年の長野オリンピックではボブスレーのテクニカルディレクターを務め、日本チーム史上最上位を得る。その後、モタードの全日本に専念し、レーシングパーツ開発とモタードスリックの開発も担当し、2006年にCRFで、2010年にハスクバーナで全日本モタードProクラスチャンピオンを獲得する。06年より全国各地でのモタードスクール・講座もしていて、受講者の中には全日本モタードの優勝者も出ている。

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