KTM 690SMC R

掲載日:2012年03月14日 バイク購入ガイド        件のユーザーレビュー

文/田宮 徹

KTM 690SMC Rの画像
KTM 690SMC R

エクストリームライディングに対応する
攻撃的で活発なビッグモタード

オフロードモデルの690エンデューロをベースに開発された690SMCは、シングルエンジンを搭載する超本格派のビッグモタードモデル。2012年型では各部に刷新を受け、車名の末尾に「R」を冠したよりエキサイティングなモデルへと進化した。R仕様でもっとも注目すべき従来型からのアップデートポイントは、LC4と呼ばれる水冷単気筒OHC4バルブエンジンの熟成。これまでの690SMCや690エンデューロは排気量が654ccだったが、今回の刷新によりストロークが増され、車名と同じ690ccの排気量を手に入れた。もちろん、これに伴い出力も向上。最高出力は従来型より4馬力アップの67馬力となった。

このエンジンと組み合わさるのは、単体重量わずか9kgの鋼管トラスフレームをメインに構成された、KTMらしいしなやかでありながら十分な剛性が確保された車体。リアセクション部は、燃料タンクを兼ねたボックス構造となっている。前後ホイールはスポークタイプで、もちろん17インチ径。ブレンボ製の前後ブレーキキャリパーと、WP製の前後サスペンションという組み合わせは、ほぼすべてのKTMに共通のもので、前ブレーキキャリパーはラジアルマウント式、リアサスはフルアジャスタブル式となっている。シートはR仕様に進化する際に全面的に見直され、座面が20mm低減。しかしながらシート高は890mmと、かなり高め。あくまでもスポーツ性が重視されていることがわかる。

APTC製のスリッパークラッチを標準装備し、オレンジアルマイトの高強度アルミニウム削り出しトリプルクランプを採用するなど、装備がハイグレードなのも魅力のひとつ。一方で、公道走行に対応した保安部品をしっかりと装備している。690SMC Rは、ストリートで乗れる、カスタマイズしなくても超高性能なエキサイティングモタードなのだ。

KTM 690SMC Rのここがポイント!
  • ● 車名どおりの排気量になったハイパワーエンジン
  • ● 大柄だがこのクラスとしては非常に軽量なボディ
  • ● KTMらしい高性能なブレーキや前後サス

KTM 690SMC Rのライバルはこれだ!

  • ハスクバーナ
    SMS630

    日本では2010年夏に登場した、公道でのスポーツ性を重視したビッグモタード。ショートストロークの600cc水冷単気筒エンジンを、スチール製フレームに搭載する。

  • フサベル
    FS570

    2011年まで販売された、エンデューロモデルのFE570をベースとしたモタード。シリンダーが70度も前傾した565.5cc単気筒エンジンを、クロモリ鋼管フレームに搭載する。

  • ヤマハ
    XT660X

    660cc水冷単気筒エンジンを搭載。オフ系のXT660Rと同時開発され、2004年型で新登場。日本へは2007年型を最後に積極的な輸入が行われていないが、本国では2012年も現役だ。

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