Vol.03 ユーザーが造るカスタム ハスクバーナ SM250R IE

掲載日:2012年09月19日 モタード魂    

モタード魂

モタード車のそもそもの生まれは、異種カテゴリー同士の競争です。そこから派生して、オフロード車をベースにオン/オフ混合の競技用にカスタムするスタイルが定着しました。その為、運動神経が抜群で、オフロード車特有のクイックな特性を持ちながらも、オンロードタイヤを履いているのでアスファルトでのグリップ感が良く、ストリートでの走りも大得意です。生まれの経緯が“カスタム”だった為、関連パーツが豊富に揃い、個性を出し易い特徴もあります。走りは抜群、見た目も自由に! と欲張りなジャンルと言えますね。

そんなキャラクターを持ったモタード車のオーナーたちがどのようにカスタマイズして楽しんでいるのか、紹介していきたいと思います。是非、参考に!(しまお)

掲載日/2012年9月19日  取材・文/しまお

元気いっぱいのモタードチーム“日本メット連合”から代表Shinさんのマシンがエントリー。
ベースを生かしながらのカスタムは見所がたくさん

ハスクバーナ SM250R IE

ハスクバーナ SM250R IE

ハスクバーナ SM250R IE

ナンバー付きモタードマシンのお手本として、わたし“しまお”がまずご紹介したいのが、NMR(日本メット連合)さんというグループ。

 

2006年に結成されたモタードチームで、正式メンバーの8名を中心にツーリングやサーキット走行、草レースを楽しんでいます。代表のShinさんがデザイナーを仕事にしており(元モタードライダー、#84松本康選手のHPも手がけている)、webサイトが充実しているのも特徴です。その幅広い活動はモタードファンから常に注目されています。

 

そんなメット連合さんの中から今回は、モタード車の魅力と可能性を存分に引き出しているShinさんのマシンをご紹介します。

 

氏は元々はエイプ(ホンダ)に乗っていたという事で、おそらくゴリゴリのカスタム派? で、当時、オフ車にはまったく興味がなかったらしいのですが、ある日「モトライダーフォース」というモタード専門誌を立ち読みして「出会っちゃった!」のがキッカケで、中型免許もまだ持ってないうちからDトラッカー(カワサキ)をゲット。そこから氏のモタードライフが始まったそうです。

 

現在の愛車はハスクバーナのSM250R IE(2010年式)で、日本上陸船便1発目を新車で買ったという……なんだか執着と愛を感じるそのマシンが2年かけてどうなったのかは、ご覧の通り。しかし、これでもまだ発展途上! ここまで弄っていると費用が気になりますが、現在のカスタム総額は約30万円程と!

 

このマシンで通勤からレースまで幅広く使っているので、サーキットコース(長野県の伊那サーキットと埼玉県の桶川スポーツランドがホーム)や、ツーリング先のどこかの峠道で遭遇できるかもしれません。メット連合さんのツーリングは、それはまた、とにかく目立つ! との噂……。それは、そーでしょうね、こんなに格好良ければ!

 

ヘッドライトはShinさんの好みで、ポリスポート製をチョイス。角張ったカタチが気に入っているという。

ヘッドライトはShinさんの好みで、ポリスポート製をチョイス。角張ったカタチが気に入っているという。

 

ハンドガードはサイクラのCRMフレームキットを使い、プラスチック部分のみレーステックを取り付けている(バーエンドマウントタイプ)。ハンドルはファットバーに変更。頑丈な作りもオフロードバイクの特徴だが、どうしても転倒によるレバー類の破損があるので、ガード類は必須。

ハンドガードはサイクラのCRMフレームキットを使い、プラスチック部分のみレーステックを取り付けている(バーエンドマウントタイプ)。ハンドルはファットバーに変更。頑丈な作りもオフロードバイクの特徴だが、どうしても転倒によるレバー類の破損があるので、ガード類は必須。

 

サスペンションはモタード向けのセッティングに変更し、ステッカーでドレスアップしている。

サスペンションはモタード向けのセッティングに変更し、ステッカーでドレスアップしている。

ブレンボ製のラジアルマウントキャリパーとφ320mmビッグローターは標準装備品。はじめから強力な制動力と高いコントロール性を持ち、明らかにレース指向な車両。

ブレンボ製のラジアルマウントキャリパーとφ320mmビッグローターは標準装備品。はじめから強力な制動力と高いコントロール性を持ち、明らかにレース指向な車両。

 

シートは段付きタイプに変更。急加速時にも適正位置にポジションをキープしつつ、トラクションを掛け易い効果があると言う。

シートは段付きタイプに変更。急加速時にも適正位置にポジションをキープしつつ、トラクションを掛け易い効果があると言う。

 

エンジン右脇に見えるのは、CPsports製のオイルキャッチタンク。これは、サーキットを走行中にトラブルでオイルをコース上に巻かないよう、レースではレギュレーションにより装着が義務付けられている。一般的なカスタムではないが、見栄えは良い。

エンジン右脇に見えるのは、CPsports製のオイルキャッチタンク。これは、サーキットを走行中にトラブルでオイルをコース上に巻かないよう、レースではレギュレーションにより装着が義務付けられている。一般的なカスタムではないが、見栄えは良い。

スプロケットカバーは、ドリップレーシング製をセレクト。“カーボンで出来ていて非常に軽量”、というところよりも見た目が良いので選んだ、との事! ステップはDRCのモタードフットペグを使用。赤い部分が樹脂製スライダーになっていて、バイクをバンクさせた時に地面と当たってすり減ってもその部分だけ交換できるというもので、MOTO1ライダーの注目度も高い。ステップを擦る程バンクさせられる人専用商品(笑)。

スプロケットカバーは、ドリップレーシング製をセレクト。“カーボンで出来ていて非常に軽量”、というところよりも見た目が良いので選んだ、との事! ステップはDRCのモタードフットペグを使用。赤い部分が樹脂製スライダーになっていて、バイクをバンクさせた時に地面と当たってすり減ってもその部分だけ交換できるというもので、MOTO1ライダーの注目度も高い。ステップを擦る程バンクさせられる人専用商品(笑)。

 

レース使用に際して、出力の向上にも気を配っている。写真では見えないが、エアクリーナーボックス内にハスクバーナが発売している“パワーパーツ”というレース用パーツの“インテークトランペット”を取り入れている。その他、ツインエアーのエアクリーナーと、マフラーはアクラポヴィッチをチョイス。エキゾーストパイプに見える張り出しは、アクラポヴィッチ純正のサブチャンバー。

レース使用に際して、出力の向上にも気を配っている。写真では見えないが、エアクリーナーボックス内にハスクバーナが発売している“パワーパーツ”というレース用パーツの“インテークトランペット”を取り入れている。その他、ツインエアーのエアクリーナーと、マフラーはアクラポヴィッチをチョイス。エキゾーストパイプに見える張り出しは、アクラポヴィッチ純正のサブチャンバー。

 

テール周りもカスタマイズ。市販の汎用フェンダーレスキットを使用し、ブレーキランプと台座が一体になっているのでリアフェンダーに穴を空けて直接固定している。ウインカーは純正品をそのまま使用。

テール周りもカスタマイズ。市販の汎用フェンダーレスキットを使用し、ブレーキランプと台座が一体になっているのでリアフェンダーに穴を空けて直接固定している。ウインカーは純正品をそのまま使用。

レース、ツーリング、通勤とマルチに乗っているマシンという事で、なんとスプロケを使い分けているという! フロントは13Tの固定で、リアを40/42/45Tで変更。レースは45、街乗りやショートツーリングでは42、高速道路使用では40Tに交換している。かわいいリムデカールはハスクバーナ純正アクセサリーで、小さなハスクマークが並んでいる。

レース、ツーリング、通勤とマルチに乗っているマシンという事で、なんとスプロケを使い分けているという! フロントは13Tの固定で、リアを40/42/45Tで変更。レースは45、街乗りやショートツーリングでは42、高速道路使用では40Tに交換している。かわいいリムデカールはハスクバーナ純正アクセサリーで、小さなハスクマークが並んでいる。

 

ベース車両が分からないほど個性的で一度見たら絶対に忘れられないグラフィック。これは世界にひとつしかないShinさんオリジナル品。もし一箇所だけしかカスタムできないとしたら「デカールを変える」と言う、さすがデザイナーさんだけあって一番の主張箇所。氏曰く「ハスクバーナに限らずオフロードバイクはメーカーカラーが他のジャンルよりもはっきり分かれていて、その枠みたいなのがイヤで、良い意味でハスクの枠を打ち破るような色合い・デザインにしようと思い制作しました」との事。それにしても、オートバイのグラフィックデザインなんて、誰でもできるワケじゃない!

ベース車両が分からないほど個性的で一度見たら絶対に忘れられないグラフィック。これは世界にひとつしかないShinさんオリジナル品。もし一箇所だけしかカスタムできないとしたら「デカールを変える」と言う、さすがデザイナーさんだけあって一番の主張箇所。氏曰く「ハスクバーナに限らずオフロードバイクはメーカーカラーが他のジャンルよりもはっきり分かれていて、その枠みたいなのがイヤで、良い意味でハスクの枠を打ち破るような色合い・デザインにしようと思い制作しました」との事。それにしても、オートバイのグラフィックデザインなんて、誰でもできるワケじゃない!

 

オフロードバイクは元からスリムボディのモデルが多いが、SM250R IEは競技向けキャラクターを持っている事もあり、よりスリムな車体になっている。それにしてもコレは細い!

オフロードバイクは元からスリムボディのモデルが多いが、SM250R IEは競技向けキャラクターを持っている事もあり、よりスリムな車体になっている。それにしてもコレは細い!

しまお
Shimao

Rickyz(リッキーズ)というオフロード仲間が寄り集まるチームの会長を務める、無類のオートバイ好き。趣味はアウトドア全般、ピアノ、卓球、カラオケ、音楽鑑賞と女性らしい一面をアピールするも、オートバイ歴はXR100、Dトラッカー、CRF150、ハスクバーナ125SMを所有するというヘヴィっぷり。MOTO1のおっかけは、お台場で開催されたマルチプレックスからで、2011年は全会場を観戦。メカニックな事は苦手。

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