
掲載日:2010年02月09日 ポンコツオフ車再生プロジェクト
ボロボロ&安価になった2ストマシンに手を加え、思いっきりダートを走り倒そう! というのがこのコーナーの提案する2ストマシンの楽しみ方。ガルル編集スタッフのクラモチが所有するカワサキの名車KDX200SRをレストアし、最終的にはなにかしらのレースに出場することを目指す。それが『パンパン2ストリバイバル』なのだ!
もし、あのとき僕が裁判員に選ばれていたら、きっとこんなことを言っていたでしょう。
「おっと、6月7日ですか。その日は埼玉県川越市のオフロードヴィレッジで開催されるガルルウエストポイントカップに出場しなくてはならないのです。だってね、吹きさらしの屋外で5年だか、あるいはそれ以上の期間、ずっとほったらかしにされていた不動車を、19ヵ月もかけて復活させたんですよ。それを無下にするなんて心苦しいことできないじゃありませんか。もちろん、国民である僕たちが刑事裁判に参加することによって、裁判を身近に感じたり、司法に対する信頼の向上につながる、ということはわかっているつもりです。それでも僕はこのレースで、ボロいバイクでもまだまだ楽しめるということを証明したいのです。それが僕の使命なんです!」
これを聞いたら裁判長役の中村雅俊も、「やっぱり私はあなたにやってもらいたいと思います」とは言わないでしょう。なんのことかサッパリわからない人は、法務省が企画・制作したDVD『裁判員制度 -もしもあなたが選ばれたなら- 』をご覧ください。
そう、ボロボロだった2スト・オフロードバイク・カワサキKDX200SRが編集部にやってきたのは、かれこれ19ヵ月も前のこと。1年半以上の歳月を経て、ようやく当初の目的であったレース出場を果たすことができました。
ところで、筆者はこれが初めてのエンデューロレース出場。「レース独特の雰囲気に飲まれてしまうのでは」という不安と、「あまりにも懐かしすぎる車両に周りの目が冷たいのでは」というW恐怖に、会場へ向かう移動車の中からソワソワキョドキョドワカチコワカチコ。でも、小さいことは気にしない! ってことで、受付開始の1時間前に会場入り。
さっそくトランポからKDXを着陸させると、チラリチラリとこちらのほうに興味の視線が集まっているのを感じます。ところが、「お、例のやつですね。がんばって!」とか、「このフロントフェンダーの幅の広さが90年代らしいよな」とか、意外にもあたたかな声援をいただき、ようやく緊張がほぐれてきました。よし、やってやる! このKDXでレースを思いっきり楽しんでやるぞーっ!!
■
さて、これにて「絶版オフロード再燃プロジェクト パンパン2ストリバイバル」は閉幕します。レース結果はふるいませんでしたが、この日、僕はオフロードレースを心から楽しむことができました。
最後になりましたが、もし、あなたのすぐそばに眠ったままのバイクがあるなら、しかもそれが構造のシンプルな2ストバイクなら、比較的簡単にバイクを直す喜び、そして走る楽しさを味わうことができます。ぜひ次はあなたが体験してください。パンパンと小気味よく音を鳴らして、愛車が復活する瞬間の醍醐味を…
車検ではスタンドのグラつきを指摘されただけで意外とあっさり通過。実はボロすぎて怒られるかと心配してた!
スタートライン(の、ずーっと後ろのほう)で緊張のクライマックス。ここまできたら開き直るしかない。
上り坂でパワー激減。タンクのサビがキャブまでいった!? 必死でアクセルを開けるもエンジンがフケない危機!
それなら、とトラクションを意識して徹底的にリア荷重。バイクの不足している部分はライダーである俺が埋めるぜ。
と、調子にノっていたら、ゆるやかなカーブでフロントを滑らせ初転倒。俺は平気だけど、バイクの機嫌が悪そう…。
途中からハンドル操作がしづらいと思ったら、フロントタイヤの空気が抜けてペコペコでした。急いでエアの補給を。
60分のビギナーレースとはいえ、スローペースなりに走り方のコツをつかむと周回が楽しくなる! よし、イケる!
時間いっぱい、精一杯走ってなんとか無事に完走。クラスエントリー20台中19位という結果でしたが、大満足!
レース後のKDXは、なんだかひとまわりたくましくなっていた。おかげでレースを楽しめました。ありがとうKDX!
■エンジン形式 = 水冷2ストローク ピストンリードバルブ単気筒
■ボア×ストローク = 66×58mm
■最大トルク = 3.2kgf・m/7,500rpm
■変速機形式 = 6段リターン
■サイズ(全長×全幅×全高) = 2,175×855×1,225mm
■燃料タンク容量 = 9.5L
■ブレーキ = 油圧式シングルディスク(前後)
■タイヤサイズ = フロント80/100-21 リア100/90-19
■総排気量 = 198cc
■最高出力 = 35PS/8,000rpm
■キャブレター = KEIHIN PE28
■ホイールベース = 1,445mm
■シート高 = 885mm
■乾燥重量 = 107kg
■新車時本体価格 = 38万9,000円
愛車を売却して乗換しませんか?
2つの売却方法から選択可能!