
掲載日:2013年07月11日 エクストリーム › モトクロス
文・まとめ/宮本 将平
スーパークロスシーズン同様、ライアン・ビロポート(カワサキ)、ライアン・ダンジー(KTM)の二人が主導権を握っている450クラス。先週のラウンド6、サウスウィックでも、それぞれ優勝を分け合っている。ポイントスタンディングでは、ここまでのラウンドで9勝をマークしているビロポートがトップに立っているが、すべてのレースでポディウムフィニッシュのダンジーも、わずか12ポイント差の2位に着けているため、まだまだ長いシーズンを考えると先は読めない状況にある。
モト1(30分+2周)、ホールショットはジョシュ・グラント(ヤマハ)、その背後にジェイク・ワイマー(カワサキ)、ダンジー、トレイ・カナード(ホンダ)、ジェイムズ・スチュワート(スズキ)らが着ける。注目のビロポートはスタートこそ出遅れたものの2ラップ目の途中には4位までポジションをアップさせていた。3ラップ目、好調のビロポートは、驚異的なスピードでダンジー、カナードを連続でパスし、2位へ。4ラップ目、ここまで順調にポジションアップさせてきたビロポートはついにトップのグラントもパスし、ここから彼の独走レースが始まる。その後ではカナード、グラント、ダンジーの熾烈な2位争いが展開されるが、徐々にグラントが離されてしまう。さらに、なかなかペースの上がらないグラントに今度はスチュワートが襲いかかり、スチュワートは4位へとポジションをアップさせる。勢いに乗るスチュワートはカナードもあっさりとパスし3位へ上がり、今度は前を走るダンジーまでも射程距離へ。残り4ラップ、ここまで順調に2位を走っていたダンジーだったが、突然のマシントラブルで痛恨のDNF(リタイア)となってしまい、替わってスチュワートが2位、グラントが3位へ、それぞれポジションをアップさせるが、その後は大きな動きはなく、ビロポートが圧倒的な強さで今シーズン10勝目をマークする。
モト2、ホールショットはスチュワート。背後にグラント、ジャスティン・ブレイトン(ヤマハ)、ダンジー、ビロポートらが着ける。モト1で勝利しているビロポートは1ラップ目から早くも全開で、2ラップ目に入る頃にはすでに3位までポジションをアップさせていたが、それに続くようにダンジーも追い上げ、ビロポートに次ぐ4位までポジションアップしていた。その後もビロポートはハイペースでグラントもパス、さらにはトップのスチュワートにも襲いかかるが、この日絶好調のスチュワートはなかなかトップを譲らない。レース中盤、サンドフープスセクションでのスチュワートの一瞬のミスを見逃さなかったビロポートがトップを奪うが、背後に迫っていたダンジーもすぐにスチュワートをパスし、ここから彼らのトップ争いが展開される。ラスト2ラップ、ここまでビロポートの背後に着けていたダンジーが突然の単独クラッシュを喫する。ダンジーは再スタートに手間取り、残念ながらここでゲームオーバー。ビロポートが完全勝利でレッドバッドラウンドを制した。2位にはスチュワート、そして3位にはダンジーが入った。
今回のラウンド7、レッドバッドではダンジーが今シーズン初のノーポイントで、今まで緊迫していたタイトル争いも一段落した感がある。しかし、今回はたまたまダンジーがマシントラブルに見舞われただけで、ビロポートがそうなってしまう可能性も十分考えられる。今後も彼らの戦いは続いていくだろうが、このDNFが今後どのように影響してくるかは未だわからない。
順位 | 総合 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | |
1 | 1-1 | 2 | R・ビロポート | Monster Energy Kawasaki | Kawasaki | |
2 | 2-2 | 7 | J・スチュワート | Yoshimura Suzuki | Suzuki | |
3 | 3-5 | 33 | J・グラント | JGRMX Toyota Yamaha | Yamaha | |
4 | 5-6 | 41 | T・カナード | Team Honda Muscle Milk | Honda | |
5 | 9-4 | 51 | J・バーシア | Team Honda Muscle Milk | Honda | |
6 | 6-8 | 28 | J・ブレイトン | JGRMX Toyota Yamaha | Yamaha | |
7 | 8-7 | 32 | M・スチュワート | Troy Lee Designs Honda | Honda | |
8 | 4-12 | 29 | A・ショート | BTO Sports KTM | KTM | |
9 | 7-13 | 12 | J・ワイマー | Monster Energy Kawasaki | Kawasaki | |
10 | 11-11 | 20 | B・ティックル | RCH Suzuki | Suzuki |
順位 | ゼッケン | ライダー名 | ポイント | メーカー | |
1 | 2 | R・ビロポート | 333 | Kawasaki | |
2 | 1 | R・ダンジー | 291 | KTM | |
3 | 51 | J・バーシア | 249? | Honda | |
4 | 41 | T・カナード | 200? | Honda | |
5 | 7 | J・スチュワート | 184 | Suzuki | |
6 | 800 | M・アレッシ | 170 | Suzuki | |
7 | 29 | A・ショート | 137 | KTM | |
8 | 20 | B・ティックル | 135 | Suzuki | |
9 | 33 | J・グラント | 131 | Yamaha | |
10 | 12 | J・ワイマー | 131 | Kawasaki |
これまでの6ラウンドでは、ケン・ロクスン(KTM)、イーライ・トマック(ホンダ)が前評判通り、他を圧倒している250クラス。先週のラウンド6、サウスウィックでもやはり彼ら二人が強さを見せた。もちろん今回のラウンド7、レッドバッドでも二人ともプラクティス、予選共に強さを見せていた。
モト1、ホールショットはウィル・ハーン(ホンダ)が奪うが、すぐにトマックがトップを奪う。さらに、ハーンの後方からはルーキーのジェレミー・マーティン(ヤマハ)、さらにはマービン・ムスキャン(KTM)、ロクスンが続いた。2ラップ目、ムスキャンがフィニッシュジャンプ直後にマーティンをパスするが、すぐにマーティンがムスキャンを抜き返す。彼らのバトルはしばらく続く事になるが、結局ムスキャンが3位のポジションを確立、さらに後方からはロクスンもマーティンをパス、ポジションを4位にアップさせた。そして彼らは2位のハーンも捕らえ、バトルを繰り広げながら、それぞれ2位、3位へとポジションアップさせていた。その後もロクスン、ムスキャンのチームメイト同士のバトルはさらに激化していくが、レースもちょうど半分消化した頃にロクスンがラロッコズリープ(巨大なトリプルジャンプ)を一気に飛び、ムスキャンをパスしたが、この時点でトップのトマックとの差は約12秒まで広がっていた。その後もトマックはペースを落とす事なく走り続け、今シーズン5勝目をマーク、2位にはロクスン、3位にはムスキャンがそれぞれ入った。
モト2、ホールショットはザック・オズボーン(ホンダ)、背後にはマーティン、アダム・シアンサルーロ(カワサキ)、ムスキャンが続く。しかし、シアンサルーロは1ラップ目の中盤で早くも単独クラッシュし、ほぼ最後尾までポジションを落とす事となってしまった。2ラップ目、マーティンの後方から迫っていたロクスン、トマックが次々にマーティンをパスし、ここからオズボーンを巻き込んだバトルが開始されるように見えたが、トマックはオズボーンをパスした直後に転倒、ポジションを9位まで落とす事となる。一方、トマックの転倒により再び2位にポジションアップしたマーティンとムスキャンの距離が再び詰まり始め、モト1に続き彼らのバトルが展開される。ラスト8分、激しいバトルの結果、ついにムスキャンがマーティンをパスし、単独2位となるが、ムスキャンはその直後に転倒し、4位までポジションを落とすこととなってしまう。その結果、再び2位へとポジションをアップさせたマーティンだったが、今度は序盤の転倒から驚異的なスピードで追い上げてきたトマックにパスされてしまう。さらにペースを上げるトマックだったが、ロクスンとの距離は大きく、ロクスンは独走で今シーズン7勝目をマークした
今回もロクスン、トマックが強さを見せ、他のライダーを圧倒した。結果的には同ポイントながらロクスンがオーバーオールウィンを果たしたが、ポイントスタンディングでは変わらず、わずか7ポイント差。シーズンも中盤へと差し掛かってきたが今後も緊迫したトップ争いは続いていくだろう。
順位 | 総合 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | |
1 | 2-1 | 94 | K・ロクスン | Red Bull KTM | KTM | |
2 | 1-2 | 17 | E・トマック | GEICO Honda | Honda | |
3 | 4-3 | 77 | J・マーティン | StarRacing | Yamaha | |
4 | 3-4 | 25 | M・ムスキャン | Red Bull KTM | KTM | |
5 | 10-5 | 338 | Z・オズボーン | GEICO Honda | Honda | |
6 | 7-8 | 38 | K・カニンガム | StarRacing | Yamaha | |
7 | 6-9 | 175 | C・ウェブ | MyPlash Yamaha | Yamaha | |
8 | 5-11 | 43 | C・シーリー | Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda | Honda | |
9 | 8-10 | 1 | B・バゲット | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | |
10 | 12-7 | 34 | J・ボーグル | GEICO Honda | Honda |
順位 | ゼッケン | ライダー名 | ポイント | メーカー | |
1 | 94 | K・ロクスン | 312 | KTM | |
2 | 17 | E・トマック | 305 | Honda | |
2 | 1 | B・バゲット | 247 | Kawasaki | |
4 | 25 | M・ムスキャン | 222 | KTM | |
5 | 338 | Z・オズボーン | 212 | Honda | |
6 | 21 | J・アンダーソン | 176 | Suzuki | |
7 | 77 | J・マーティン | 162 | Yamaha | |
8 | 38 | K・カニンガム | 158 | Yamaha | |
9 | 34 | J・ボーグル | 145 | Honda | |
10 | 175 | C・ウェブ | 140 | Yamaha |
WEB・GRAPHIC DESIGNER/PHOTOGRAPHER 元プロMXライダー。トランスワールドMX編集部を経て、同社でデザイナーとして勤務。退社後に独立、いわきで バンザイマガジン (FMXフリーマガジン)を立ち上げ、編集長を勤めている。
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