
掲載日:2013年06月07日 エクストリーム › モトクロス
文・まとめ/宮本 将平
ライアン・ビロポート(カワサキ)が開幕から圧倒的な強さで4連勝中の450クラス。ただ、スーパークロスでも最後までタイトルを争ったライアン・ダンジー(KTM)も4レース連続で2位に入っているため、ポイントランキングでは依然として接戦が続いている。そして今回のラウンド3、マディクリークはAMAモトクロス史上、初の開催となるトラック。昨年までのリザルトもないため、誰が強さを発揮するのか予想するのも難しいラウンドとなった。そんなマディクリークラウンド、プラクティス、予選共に好タイムを連発したのはラウンド2同様、ジャスティン・バーシア(ホンダ)。豪快なライディングのイメージが強い彼だが、今回は加えて抜群の安定感を見せてくれていた。
モト1(30分+2周)、ホールショットはビロポート。その後にバーシアが着け、すぐにバーシアがトップを奪うが、すぐにビロポートがトップを奪い返す。トップ争いの後ろからはトレイ・カナード(ホンダ)、マイク・アレッシ(スズキ)、ジェイムズ・スチュワート(スズキ)らがトップを伺うが、カナードが最初にクラッシュし脱落してしまう。一方、スタートに失敗したダンジーだが早い段階でポジションを回復させ、4ラップ目には3位のスチュワートの背後にまで迫っていた。レース中盤、いつものようにトップ独走かと思われたビロポートだったが、バーシアがピタリと彼をマークし、レースをアツくする。さらに、その後方ではダンジーがスチュワートをパスし、ポジションを3位にアップさせるが、トップ2とはこの時点で約10秒の差があった。結局、レース後半にバーシアからリードを広げる事に成功したビロポートが優勝、開幕から5連勝を記録した。そして2位にはバーシア、3位にはダンジーがそれぞれ入った。
モト2、ホールショットはバーシアが奪う。モト1同様、ビロポートが背後に着けるが、ビロポートは1ラップ目の途中でなんとスリップダウンしてしまい、大きくポジションを落としてしまう。代わって2位に上がったのはダンジー。彼は、ここから徐々にバーシアを追い詰める事になる。一方、3位争いはアレッシとスチュワートの間で繰り広げられるが、ここはアレッシがスチュワートを抑える。レース後半、なかなかペースの上がらないスチュワートを後方から追い上げてきたカナード、ビロポートが続けてパスし、スチュワートは6位までポジションを落としてしまう。一方、徐々にトップのバーシアとの距離を詰めてきたダンジーは、ラスト6分というところで、ついにバーシアをパスし、ここからは独走で今シーズン初優勝をマークする。そして2位にはバーシア、3位にはカナードが入った。
今回のラウンド3、マディクリークではポイントリーダーであるビロポートのクラッシュも手伝って、ダンジーが1-3で今シーズン初のオーバーオールウィンを手にした。また、両モト共に素晴らしいスタートを見せてくれたバーシアも、2-2でオーバーオール2位を獲得。彼にとっては450クラスフル参戦となる今シーズン、ベストリザルトとなった。ただ、モト2で連勝記録が途絶えてしまったビロポートも1-4で、しっかりとオーバーオール3位を獲得。もちろん、ポイントランキングでも依然としてトップを死守している。まだまだ序盤戦のシリーズだが、やはりスーパークロスで上位常連のライダーたちが、ここでも上位争いを繰り広げている。その中でも特に、ビロポート、ダンジーの強さが目立っているが、今後はバーシア、スチュワート、カナードらも優勝に向け調整してくるだろう。
順位 | 総合 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | |
1 | 3-1 | 1 | R・ダンジー | Red Bull KTM | KTM | |
2 | 2-2 | 51 | J・バーシア | Team Honda Muscle Milk | Honda | |
3 | 1-4 | 2 | R・ビロポート | Monster Energy Kawasaki | Kawasaki | |
4 | 4-6 | 7 | J・スチュワート | Yoshimura Suzuki | Suzuki | |
5 | 6-5 | 800 | M・アレッシ | Motoconcepts Racing | Suzuki | |
6 | 5-9 | 925 | C・デサール | Rockstar Suzuki | Suzuki | |
7 | 14-7 | 922 | K・ストライボス | Rockstar Suzuki | Suzuki | |
8 | 12-10 | 29 | A・ショート | BTOSports.com/KTM | KTM | |
9 | 29-3 | 41 | T・カナード | Team Honda Muscle Milk | Honda | |
10 | 13-11 | 20 | B・ティックル | RCH Suzuki | Suzuki |
順位 | ゼッケン | ライダー名 | ポイント | メーカー | |
1 | 2 | R・ビロポート | 143 | Kawasaki | |
2 | 1 | R・ダンジー | 133 | KTM | |
3 | 51 | J・バーシア | 114? | Honda | |
4 | 7 | J・スチュワート | 99 | Suzuki | |
5 | 41 | T・カナード | 90? | Honda | |
6 | 800 | M・アレッシ | 85 | Suzuki | |
7 | 28 | T・ラトレイ | 59 | Kawasaki | |
8 | 925 | C・デサール | 58 | Suzuki | |
9 | 29 | A・ショート | 54 | KTM | |
10 | 35 | R・サイプス | 49 | Suzuki |
ケン・ロクスン(KTM)が早くも3勝をマークし、ポイントランキングでもトップに立っている250クラス。しかし、ライバルのイーライ・トマック(ホンダ)も先週のラウンド2、サンダーバレーのモト2で今シーズン初優勝をマーク、オーバーオールウィンも獲得し、こちらも好調をアピールした。そんな好調な彼らとは逆に、ディフェンディングチャンピオン、ブレイク・バゲット(カワサキ)が苦戦を強いられている。昨シーズンは初戦で勝利してから終止ポイントリーダーの座を死守してきた彼だが、今シーズンはスーパークロスでのケガにより調整が遅れ、昨年のような強さは陰を潜めている。一方、アウトドアシリーズからプロに転向したルーキー、クーパー・ウェブ(ヤマハ)など、若手の活躍も目立っているのが今シーズンの250クラスだ。
モト1、ホールショットはジャスティン・ボーグル(ホンダ)。すぐにザック・オズボーン(ホンダ)が前に出るが、オズボーンのミスで再びボーグルがトップへ立つ。ところが、今度はボーグルが転倒で大きくポジションを落とし、代わりにトップに立ったのは、なんとルーキーのウェブ。彼は若手らしいアグレッシブなライディングでレースをリードするが、3ラップ目にはポイントリーダのロクスンが彼をパスし、ここから一気に後続とのリードを広げ始める。一方、ランキング2位のトマックはスタートに失敗し中団からのレースとなってしまったが、今回も彼のスピードは群を抜いていて、レースが中盤を迎える頃には、ロクスン、ムスキャン、バゲットに次ぐ4位までポジションをアップさせていた。しかし、その後は大きな動きがないままレースは後半を迎え、結局、ロクスンが独走で今シーズン5勝目をマーク。2位にはチームメイトのムスキャン、3位にはディフェンディングチャンピオンのバゲットが入った。
モト2、ホールショットはトマック。背後にムスキャン、ウェブが続くが、ウェブは1ラップ目のフィニッシュジャンプ直後のコーナーでスリップダウンし、ほぼ最後尾までポジションを落としてしまう。このままトマックを独走させたくないムスキャンだったが、その差は徐々に開き始め、レース中盤には5秒以上になっていた。一方、モト1のウィナー、ロクスンはスタートに失敗、さらに途中の転倒もあり、厳しい展開を強いられていた。それでもロクスンはレース後半を迎える頃には4位までポジションをアップ、さらには3位を走るオズボーンも捕らえる事に成功したが、一度はパスしたバゲットに再びパスされ、4位にポジションを落とす。結局、レースはスタートからトップに立ったトマックが圧倒的な強さで今期2勝目をマーク。2位にはムスキャン、3位にはロクスンを抜き返したバゲットが入った。
今回もラウンド2同様、ロクスンとトマックが優勝を分け合う形となった250クラス。しかし、オーバーオールは2-2でムスキャンが勝ち取った。ムスキャンにとっては昨年のユナディラ以来のオーバーオールウィンとなったと同時に、ポイントランキングでもトップ2に接近し、これからのシーズンがますます楽しみになった。バゲットもまだ優勝こそないものの徐々に強さを見せ始めただけに、ラウンド4以降は彼らの戦いがさらに激化してくるだろう。
順位 | 総合 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | |
1 | 2-2 | 25 | M・ムスキャン | Red Bull KTM | KTM | |
2 | 4-1 | 17 | E・トマック | GEICO Honda | Honda | |
2 | 1-4 | 94 | K・ロクスン | Red Bull KTM | KTM | |
4 | 3-3 | 1 | B・バゲット | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | |
5 | 6-5 | 338 | Z・オズボーン | GEICO Honda | Honda | |
6 | 7-7 | 21 | J・アンダーソン | Rockstar Energy Racing | Suzuki | |
7 | 12-6 | 34 | J・ボーグル | GEICO Honda | Honda | |
8 | 8-11 | 38 | K・カニンガム | StarRacing | Yamaha | |
9 | 11-9 | 13 | B・ウォートン | Rockstar Suzuki | Suzuki | |
10 | 5-15 | 175 | C・ウェブ | MyPlash Yamaha | Yamaha |
順位 | ゼッケン | ライダー名 | ポイント | メーカー | |
1 | 94 | K・ロクスン | 138 | KTM | |
2 | 17 | E・トマック | 132 | Honda | |
2 | 25 | M・ムスキャン | 116 | KTM | |
4 | 1 | B・バゲット | 110 | Kawasaki | |
5 | 338 | Z・オズボーン | 96 | Honda | |
6 | 21 | J・アンダーソン | 77 | Suzuki | |
7 | 175 | C・ウェブ | 65 | Yamaha | |
8 | 38 | K・カニンガム | 62 | Yamaha | |
9 | 34 | J・ボーグル | 61 | Honda | |
10 | 77 | J・マーティン | 61 | Yamaha |
WEB・GRAPHIC DESIGNER/PHOTOGRAPHER 元プロMXライダー。トランスワールドMX編集部を経て、同社でデザイナーとして勤務。退社後に独立、いわきで バンザイマガジン (FMXフリーマガジン)を立ち上げ、編集長を勤めている。
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