2013 AMA スーパークロス ラウンド2 フェニックス AZ レースレポート

掲載日:2013年01月16日 エクストリームモトクロス    

文・まとめ/宮本 将平

450cc クラス メインレース

キャリア2戦目で早くもバーシアが初勝利!

デイビー・ミルサップス(スズキ)が劇的な優勝を飾ったアナハイム1からちょうど1週間後の1月12日、アリゾナ州のフェニックスでAMAスーパークロス、ラウンド2が開催された。ジャンプが大きく、テクニカルでスリッピーな今回のトラックは、トップライダーたちでさえも苦戦しているよう見えた。

 

メインレースはアナハイム1同様にビッグネームが顔を揃えたが、ヒートレースから絶好調のジャスティン・バーシア(ホンダ)がバツグンのスタートを決め、ホールショットを奪う。逆にLCQ(ラストチャンスクオリファイ)からのメインレース出場となったライアン・ダンジー(KTM)はスタートでミスし、ほぼ最後尾からのレースとなってしまった。トップに立ったバーシアの後ろにはミルサップス、チャド・リード(ホンダ)、ライアン・ビロポート(カワサキ)、ジェイク・ワイマー(カワサキ)、トレイ・カナード(ホンダ)と続いたが、この日のバーシアは彼らのプレッシャーに動じる雰囲気ではなかった。

 

2ラップ目、アナハイム1では何度も転倒し、散々な結果に終わったビロポートがまたリズムレーン後の左コーナーでスリップダウンし、順位を8位まで落とす。ヒートレースからコンディションがとてもよさそうに見えていたので、本当に残念だ。一方、トップのバーシアはセカンドグループ以下に少しずつではあるがリードを広げ始め、レース中盤までには6秒とその間隔を広げていた。転倒したビロポートはと言うと、6ラップ目にジェイムズ・スチュワート(スズキ)を、7ラップ目にはワイマーをパスし、セカンドグループとの距離をどんどん詰め、9ラップ目にはセカンドグループの真後ろまで迫っていた。

 

11ラップ目、トリプルジャンプ手前でミスしたリードをパスしたカナードが3位へ順位を上げると、12ラップ目にはビロポートもリードをパス。二人はそのままの勢いで2位のミルサップスもパスし、ラスト5周の時点で2位争いは完全にカナードとビロポートの二人に絞られた。トップのバーシアはというと、(450クラス)キャリア2戦目とは思えないほどハイスピード且つ安定したライディングで、すでにクルージングモードに入っていた。

 

迎えたファイナルラップ。バーシアは完全にトップを独走していたが、2位争いは思わぬ展開を迎えることになった。2位のカナードがリズムレーンでミスし転倒、順位を5位まで落としてしまい、そのままゴール。

 

その結果、優勝はバーシア。キャリア2戦目にして早くもポディウム中央に登壇だ。2位は序盤に転倒したビロポート、3位にミルサップスという結果に。ポイントランキングではミルサップスが引き続きトップを守っているが、トップを争うライダーたちの力の差は小さく、次のアナハイム2はまたまた面白い展開になりそうだ。

 

450cc クラス レース結果
順位 ゼッケン ライダー名 チーム名 メーカー ベストタイム
1 51 J・バーシア Team Honda Muscle Milk   Honda 51.459
2 1 R・ビロポート Monster Energy Kawasaki   Kawasaki 50.880
3 18 D・ミルサップス Rockstar Suzuki   Suzuki 52.114
4 22 C・リード TWOTWO Mortorsports   Honda 52.341
5 41 T・カナード Musklemilk HONDA   Honda 51.702
6 12 J・ワイマー Monster Energy Kawasaki   Kawasaki 52.510
7 7 J・スチュワート Yoshimura Suzuki   Suzuki 52.231
8 5 R・ダンジー Red Bull KTM   KTM 52.298
9 29 A・ショート Chaparral Honda   Honda 53.273
10 33 J・グラント JGRMX Toyota Yamaha   Yamaha 53.438
11 14 K・ウィンダム GEICO Honda   Honda 53.915
12 20 B・ティックル RCH Suzuki   Suzuki 53.647
13 11 K・チゾム Velocity3 Racing/Yamaha/DRD exhaust/yamalube   Yamaha 53.942
14 46 W・ペイック Hyper-X,FLY,R2MX,Rocket Exhaust,Pro Ride.   Suzuki 53.847
15 29 J・ブレイトン JGRMX Toyota Yamaha   Yamaha 53.401
16 47 M・ラモイン J JAB Motorsports/SCOTT/Silkolene/FMF/JM Racing   Kawasaki 54.005
17 62 M・ゴーキー BTOSports.com/KTM   KTM 54.331
18 42 V・フリッシー Slaton Racing/Tuf Racing/ONeal/Dunlop/Shoei   Honda 54.729
19 55 J・アルバートソン -   Honda 54.797
20 800 M・アレッシ Motoconcepts Racing/Smartop/JT Racing/FMF   Suzuki 53.875
450cc クラス ポイントランキング
順位 ゼッケン ライダー名 メーカー ポイント
1 18 D・ミルサップス   Suzuki 45
2 51 J・バーシア   Honda 39
3 41 T・カナード   Honda 38
4 22 C・リード   Honda 36
5 5 R・ダンジー   KTM 33
6 12 J・ワイマー   Kawasaki 31
7 1 R・ビロポート   Kawasaki 27
8 29 A・ショート   Honda 27
9 7 J・スチュワート   Suzuki 27
10 33 J・グラント   Yamaha 21
11 14 K・ウィンダム   Honda 21
12 10 J・ブレイトン   Yamaha 18
13 11 K・チゾム   Yamaha 16
14 46 W・ペイック   Suzuki 14
15 62 M・ゴーキー   KTM 13
16 20 B・ティックル   Suzuki 12
17 47 M・ラモイン   Kawasaki 11
18 42 V・フリッシー   Honda 7
19 39 R・キナイリー   Honda 2
20 55 J・アルバートソン   Honda 2
21 800 M・アレッシ   Suzuki 2

 

 

 

250cc クラス ウエスト メインレース

トマックが2連勝で独走状態に入るか!?

250クラス。今回もホールショットはジェシィ・ネルソン(ホンダ)。彼は本当にスタートが上手なライダーだ。しかし、ヒートレースのリズムレーンでビッグクラッシュし、LCQからメインレースに進んできたマーティン・ダバロス(カワサキ)が1ラップ目に早くもトップを奪う。スタート位置の選択権がほぼ無かったダバロスが1周目からトップを走るという事は本当に驚異的で、解説のリッキー・カーマイケルとジェフ・エミッグもアツくなる。しかし、2ラップ目には3位まで順位を上げてきたイーライ・トマック(ホンダ)がダバロス、ネルソンとの距離を縮め始め、4周目にはネルソンをリズムレーン後のスリッピーな左コーナーでクリーンパス。あとはトップのダバロスだけとなった。一方、アナハイム1では2位だったケン・ロクスン(KTM)はスタートでミスし、10位前後からのレーススタートとなったが、その後はほぼノーミスのライディングでトップグループと差を詰め始める。

 

8周目、フィニッシュジャンプ直後のフープスでトップのダバロスにトマックが並びかけると、続く右コーナーでアグレッシブにインに入り、トップを奪う。その後はいつも通りの強さでリードを広げ、ファイナルラップにロクスンが2位のダバロスをようやくパスした頃には、すでにリードは11秒。またも圧倒的な強さで勝ち、これで2連勝。ロクスンもトマックを破るまではいかないが、いつ勝ってもおかしくないくらいのスピードはあり、スタートさえ決まればトマックとも互角以上で戦えるかもしれない。次のラウンドは再びアナハイム。今シーズン初めての、トマック、ロクスンの接近戦が見れる事を期待したい!

 

250cc クラス ウエスト レース結果
順位 ゼッケン ライダー名 チーム名 メーカー ベストタイム
1 1 E・トマック GEICO Honda   Honda 51.845
2 94 K・ロクスン Red Bull KTM   KTM 52.411
3 40 M・ダバロス Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki   Kawasaki 52.567
4 43 C・シーリー Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda   Honda 52.929
5 36 J・ネルソン Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda   Honda 53.724
6 338 Z・オズボーン GEICO Honda Honda   Honda 53.833
7 35 R・サイプス Rockstar Suzuki   Suzuki 53.511
8 38 K・カニンガム MyPlash/Metal Mulisha/Yamaha/Star Racing   Yamaha 53.384
9 176 J・サバージー JDR/J-star/KTM   KTM 54.128
10 59 C・クレイグ Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda   Honda 54.179
11 74 M・アンスティ Suzuki/Fox/Dunlop   Suzuki 53.744
12 28 T・ラトレイ Monster Energy/ProCircuit/Kawasaki   Kawasaki 53.810
13 76 A・ポリテリ MotoThump HRT, HBH,Tilube,Dynamic Enegine Factory,Rekluse,Yoshimura,   Honda 54.626
14 205 J・カヒア JDR/J-star/KTM   KTM 54.128
15 965 T・ブライト FOX/THE RACERS EDGE/FACTORY CONNECTION/YOSHIMURA/DUNLOP/   Honda 56.105
16 846 T・レイズ Motoworldracing.com/Maxima Oils/ONE Industries/Tag/Sunline/Precision Concepts   Honda 56.293
17 80 M・リーブ Rocket Exhaust, On Track, Renegade, Race So Cal, Gaerne,   Honda 55.225
18 32 M・スチュワート JDR/J-star/KTM   KTM 53.866
19 91 T・イングラス -   Honda 55.617
20 23 J・カナダ Motoconcepts Racing/Smartop/JT Racing/FMF   Honda 53.981
250cc クラス ウエスト ポイントランキング
順位 ゼッケン ライダー名 メーカー ポイント
1 1 E・トマック   Honda 50
2 94 K・ロクスン   KTM 44
3 43 C・シーリー   Honda 38
4 35 R・サイプス   Suzuki 29
5 338 Z・オズボーン   Honda 29
6 38 K・カニンガム   Yamaha 23
7 28 T・ラトレイ   Kawasaki 22
8 74 M・アンスティ   Suzuki 22
9 40 M・ダバロス   Kawasaki 21
10 176 J・サバージー   KTM 20
11 59 C・クレイグ   Honda 20
12 32 M・スチュワート   KTM 19
13 36 J・ネルソン   Honda 19
14 21 J・アンダーソン   Suzuki 18
15 80 M・リーブ   Honda 15
16 76 A・ポリテリ   Honda 13
17 4 B・バゲット   Kawasaki 7
18 205 J・カヒア   KTM 7
19 31 T・ベイカー   Yamaha 6
20 965 T・ブライト   Honda 6
宮本 将平
プロフィール
宮本 将平

WEB・GRAPHIC DESIGNER/PHOTOGRAPHER 元プロMXライダー。トランスワールドMX編集部を経て、同社でデザイナーとして勤務。退社後に独立、いわきで バンザイマガジン (FMXフリーマガジン)を立ち上げ、編集長を勤めている。

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