掲載日:2013年01月09日 エクストリーム › モトクロス
文・まとめ/宮本 将平
先日のAMA スーパークロス事前情報でもお伝えした通り、2013シーズンの450クラスは近年稀に見るビッグタレントが勢揃いするシーズン開幕戦となった。その中でも、もちろん2011、2012年と2年連続でタイトルを獲得している#1 ライアン・ビロポート(カワサキ)に注目が集まったが、ホールショットは今シーズンからスズキへ移籍したデイビー・ミルサップス(スズキ)。続いて昨年のビッグクラッシュから1年振りの復帰となるトレイ・カナード(ホンダ)が続く。さらには450クラスではデビューレースとなるジャスティン・バーシア(ホンダ)、そしてMr.ステディであるライアン・ダンジー(KTM)。ビロポート、ジェイムズ・スチュワート(スズキ)は共にスタートで出遅れ、厳しいレース展開となる。スタートから飛び出した4ライダーは僅差のまま同順位でレースを展開していくが、16周目にダンジーが、17周目にはバーシアがそれぞれ転倒で順位を落とす。トップ集団を形成する4人が5位以下をぐんぐんと引き離し、中盤には完全に優勝争いはこの4人に絞られた。
レースが動いたのは17周目。トップのミルサップスがフープスでミスを犯す。そのミスを見逃さなかったカナードが続くトリプルジャンプで豪快なスクラブをきめ、次のコーナーで鋭くインに滑り込む。しかし、ミルサップスも簡単には諦めない。その後もずっと2秒以内差に着けていた彼はラストラップ、フープス手前でミスをしたカナードに再び並びかけ、先程パスされたのとまったく同じ場所で再び差し替えす。そして残り半周をミス無く走りきったミルサップスが見事に、2010シーズンのサンディエゴ以来の勝利を掴み、2位にカナード、3位にはダンジーがそれぞれ入った。注目のビロポートは度重なる転倒で16位という厳しい結果に終わる。スチュワートはプラクティスで痛めた膝をかばいながらも堅実なライディングで8位でフィニッシュするが、ケガの詳細はまだ発表されていない。しかし、休む間もなくR2が今週末にフェニックスで開催されるのだが、次はどのライダーが勝つのかまったく予想もつかない。
順位 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | ベストタイム | |
1 | 18 | D・ミルサップス | Rockstar Suzuki | Suzuki | 55.974 | |
2 | 41 | T・カナード | Musklemilk HONDA | Honda | 55.849 | |
3 | 5 | R・ダンジー | Red Bull KTM | KTM | 55.877 | |
4 | 22 | C・リード | TWOTWO Mortorsports | Honda | 56.358 | |
5 | 12 | J・ワイマー | Monster Energy Kawasaki | Kawasaki | 57.319 | |
6 | 29 | A・ショート | Chaparral Honda | Honda | 57.510 | |
7 | 51 | J・バーシア | Team Honda Muscle Milk | Honda | 55.934 | |
8 | 7 | J・スチュワート | American Suzuki Motor Corp./Yoshimura Racing | Suzuki | 57.481 | |
9 | 10 | J・ブレイトン | JGRMX Toyota Yamaha | Yamaha | 57.614 | |
10 | 14 | K・ウィンダム | GEICO Honda | Honda | 58.220 | |
11 | 33 | J・グラント | JGRMX Toyota Yamaha | Yamaha | 57.932 | |
12 | 62 | M・ゴーキー | BTOSports.com/KTM | KTM | 58.450 | |
13 | 11 | K・チゾム | Velocity3 Racing/Yamaha/DRD exhaust/yamalube | Yamaha | 58.134 | |
14 | 46 | W・ペイック | Hyper-X,FLY,R2MX,Rocket Exhaust,Pro Ride. | Suzuki | 58.374 | |
15 | 47 | M・ラモイン | JAB Motorsports/SCOTT/Silkolene/FMF/JM Racing | Kawasaki | 58.710 | |
16 | 1 | R・ビロポート | Monster Energy Kawasaki | Kawasaki | 56.591 | |
17 | 42 | V・フリッシー | Slaton Racing/Tuf Racing/ONeal/Dunlop/Shoei | Honda | 58.475 | |
18 | 20 | B・ティックル | RCH Suzuki | Suzuki | 58.475 | |
19 | 39 | R・キナイリー | - | Honda | 59.392 | |
20 | 800 | M・アレッシ | Motoconcepts Racing/Smartop/JT Racing/FMF | Suzuki | 59.379 |
250クラス、ホールショットはルーキーのジェシィ・ネルソン(ホンダ)が奪うが、直後に転倒し最後尾まで順位を落としてしまう。代わってオープニングラップからトップに立ったのはディフェンディングチャンピオンのイーライ・トマック(ホンダ)。その後ろにケン・ロクスン(KTM)がピタリと着け、早くも優勝はこの2名に絞られたように見えた。その後方ではマルコム・スチュワート(KTM)、コール・シーリー(ホンダ)、ジェイソン・アンダーソン(スズキ)らが3位争いを繰り広げ独走状態の2人に変わってレースを盛り上げるが、そこから徐々にシーリーが抜け出し単独で3位を走る。
一方トップのトマックは2位のロクスンとの差を毎ラップ着実に広げ、レース中盤には完全に独走状態に。そのままノーミスで全15ラップを走りきり、開幕戦を勝利した。ロクスンも決して遅い訳ではなかったが、今回はトマックがディフェンディングチャンピオンらしい、圧倒的な強さをみせた。3位争いはシーリーが半年ぶりのメジャーレースにも関わらず徐々に後続との差を広げ、そのまま3位でフィニッシュ。他ではトマックのチームメイトのザック・オズボーン(ホンダ)がスタート直後からハイペースで追い上げ7位をゲット。昨年のアウトドアチャンピオンである、ブレイク・バゲット(カワサキ)は14位に沈む。
今回は#1のトマックが450クラスのトップライダー達にも勝るほどの好タイムで走りきり強さをみせたが、2位のロクスンも決して劣っているわけではなかった。また、バゲット、タイラ・ラトレイ、マーティン・ダバロスのプロサーキット勢(カワサキ)もこのままでは終わらないだろう。またまだまだシーズンは始まったばかりの250クラス・ウエストはこれからますます面白くなっていきそうだ。
順位 | ゼッケン | ライダー名 | チーム名 | メーカー | ベストタイム | |
1 | 1 | E・トマック | GEICO Honda | Honda | 55.275 | |
2 | 94 | K・ロクスン | Red Bull KTM | KTM | 56.789 | |
3 | 43 | C・シーリー | Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda | Honda | 57.076 | |
4 | 21 | J・アンダーソン | Rockstar Suzuki | Suzuki | 57.082 | |
5 | 32 | M・スチュワート | JDR/J-star/KTM | KTM | 57.254 | |
6 | 35 | R・サイプス | Rockstar Suzuki | Suzuki | 57.438 | |
7 | 338 | Z・オズボーン | GEICO Honda/AMSOIL/Alias/Muscle Milk/Planet | Honda | 57.362 | |
8 | 28 | T・ラトレイ | Monster Energy/ProCircuit/Kawasaki | Kawasaki | 57.995 | |
9 | 32 | M・アンスティ | Suzuki/Fox/Dunlop | Suzuki | 57.702 | |
10 | 80 | M・レイブ | Rocket Exhaust, On Track, Renegade, Race So | Honda | 58.302 | |
11 | 38 | K・カニンガム | MyPlash/Metal Mulisha/Yamaha/Star Racing | Yamaha | 57.790 | |
12 | 59 | C・クレイグ | Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda | Honda | 58.370 | |
13 | 176 | J・サバジー | - | KTM | 58.455 | |
14 | 4 | B・バゲット | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | 57.196 | |
15 | 31 | T・ベイカー | Valli Motorsports Yamaha | Yamaha | 58.267 | |
16 | 76 | A・ポリテリ | HRT Honda, HBH,Tilube,Dynamic Enegine Factory | Honda | 59.751 | |
17 | 992 | J・ラモス | X-Motos Do Brasil/JMR Escola de Motocross/Adrenalinamx | Kawasaki | 59.143 | |
18 | 36 | J・ネルソン | Troy Lee Design/Lucas Oil/Honda | Honda | 59.063 | |
19 | 23 | J・カナード | Motoconcepts Racing/Smartop/JT Racing/FMF | Honda | 58.139 | |
DNF | 40 | M・ダバロス | Monster Energy/Pro Circuit/Kawasaki | Kawasaki | - |
WEB・GRAPHIC DESIGNER/PHOTOGRAPHER 元プロMXライダー。トランスワールドMX編集部を経て、同社でデザイナーとして勤務。退社後に独立、いわきで バンザイマガジン (FMXフリーマガジン)を立ち上げ、編集長を勤めている。
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