キャブいじり その7

掲載日:2011年02月25日 バイク基本整備のイロハバイクメンテのウンチク    

キャブいじり その7

2ストエンジンのキャブバランス調整 その2

4スト&2ストエンジンを問わず、アイドリング時のバランス以上に重要なのが「スロットルを開き始めた瞬間のバランス=同調」である。これは以前にも記したが、ここでは具体的にバランスさせるための方法をレクチャーしよう。ちなみに2ストマルチエンジンを例に解説するが、4ストマルチエンジンの場合は、バキュームゲージを接続してアイドリング時の負圧状況をバランスさせたら、スロットルを微量だけ、しかもゆっくり開いて、バキュームゲージの指針がどのような動きを示すか、まずは確認しておこう。動き方としては、開け始めた瞬間だけゲージ指針が大きく動き、その後はエンジンの回転上昇に併せて負圧が減少する動きになるはずだ。つまり、スロットルを開けた瞬間に混合気が流れ込みエンジン回転は上昇し始める。その瞬間はまだスロットルバルブが閉じ気味なので、キャブレターを境にエンジン側には大きな負圧が発生しているのだ。次に、エンジン回転の上昇と逆に、負圧は低下する。バキュームゲージは、インマニ内で発生している負圧をリアルタイムに測定できる機器なのだ。

 

マルチエンジンの場合は、この「開け始め時のゲージの動き」を各気筒で合わせることで、スムーズかつ力強いレスポンスを得ることができる。強制開閉式キャブレターの場合は、各キャブボディーを連結するロッドやリンク部分にアジャスターがあり、このアジャスターの微調整によって同調させることができる。個々のスロットルワイヤーで各キャブレターをコントロールしているモデルの場合は、キャブ本体のトップキャップに付いているワイヤーアジャスターで遊びを調整し、スロットル開け始めのバランスを同調させれば良い。

 

2ストロークエンジンの場合は、個々に各キャブをワイヤーコントロールしているモデルが多いが(80年代後半以降に登場したレーサーレプリカモデルの中には連結ロッドを採用し、強制開閉式にしていたモデルもあった)、これらのモデルに関しても各ワイヤーの遊び調整で「開け始め」のバランスを同調できる。しかし、4ストモデルとは違いバキュームゲージは利用せず、もっと原始的に「棒や板状の棒」を利用。目視確認にて同調セッティングするのが良いだろう。具体的には、太い針金や竹串を使うのが良い。ここでは不要になった「金ノコ」を同じ長さにカットして利用した。各スロットルバルブの端末(カッタウェイ部)とボディに引っ掛け、その状態でスロットルをゆっくり開けば、先に開くキャブと後から開くキャブを明確に判断することができるのだ。この状況を目視確認しつつワイヤーアジャスターで開きタイミングを合わせれば、それはもう気持ち良くスロットルレスポンスするようになるはずだ。試してみよう!!

不要になった金ノコをカットし、スロットルバルブに引っ掛けて同調確認を行った。スロットルをゆっくり巻き上げると、先に開いたキャブの金ノコが、先に「お辞儀」する。そのお辞儀タイミングをすべて合わせることでスロットルレスポンスは驚くほど良くなる。

不要になった金ノコをカットし、スロットルバルブに引っ掛けて同調確認を行った。スロットルをゆっくり巻き上げると、先に開いたキャブの金ノコが、先に「お辞儀」する。そのお辞儀タイミングをすべて合わせることでスロットルレスポンスは驚くほど良くなる。

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