キャブいじり その4

掲載日:2011年01月28日 バイク基本整備のイロハバイクメンテのウンチク    

キャブいじり その4

ダイヤフラム=ゴム部品の柔軟性

様々な形状のガスケットやOリングが、各所に組み込まれているのがキャブレターである。ガソリン滲みやガソリン漏れが発生すれば、ガスケットやOリングが「交換時期」になっていることを理解できる。しかし、バキュームピストンタイプのキャブレターに組み込まれているダイヤフラムラバーや流入空気量をコントロールするエアカットバルブのダイヤフラムなどは、そのコンディションの良否を判定し難い。明らかに劣化が始まり、弾力性が低下して硬くなり始めているのならば「交換時期」だと判断できるが、スロットルバルブと一体になったダイヤフラムラバーは、決して安い部品ではないため、可能であれば「できる限り長く使いたい」ものである。このスロットルバルブのダイヤフラムラバーが劣化し始めると、微妙な吸入負圧に対応できなくなり、スロットルレスポンスが悪くなる。ちなみにマルチエンジン=マルチキャブレターでは、ラバー劣化によってバランスが取れなくなるため、性能低下を比較的判断しやすい。一方、単気筒エンジンモデルで、しかも毎日乗り続けているようなバイクの場合は、序々に性能低下していくため、気が付いたときには好調エンジンとは比べ物にならないほど、スロットルレスポンスに違いが生じているケースもある。

 

80年代後半から90年代前半の「あの時代」と比べ、国産新車の販売登録台数が10分の1ほどになっている昨今。しかも「エコ時代」の反映で、キャブレターモデルはフューエルインジェクションモデルへとほぼスイッチしている。そんな状況から推測し、将来的にはキャブレター用補修部品の入手が困難になるケースも考えられる。すでに80年代以前のモデルのなかには、補修用パーツが入手困難なケースもあるのだ。そんな意味でも「本当に長く乗り続けたい愛車」の補修部品は、キャブレター部品に限らず、オーナー自身が確保しておかなくてはいけない時代が来てしまうのかも知れない。

「どちらがフレッシュなパーツでしょう?」その答えは「左」。腰が無くフニャフニャなほど柔軟性に富んでいるのが新品部品である。対して右は中古部品。極端に硬化していないのでまだまだ利用可能だが、それでも柔軟性の違いは歴然だ。

 

 

「どちらがフレッシュなパーツでしょう?」その答えは「左」。腰が無くフニャフニャなほど柔軟性に富んでいるのが新品部品である。対して右は中古部品。極端に硬化していないのでまだまだ利用可能だが、それでも柔軟性の違いは歴然だ。

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