キャブいじり その5

掲載日:2011年02月04日 バイク基本整備のイロハバイクメンテのウンチク    

キャブいじり その3

2ストエンジンのキャブバランス調整

4ストロークのマルチエンジン(CB750FOURが登場した以降の4気筒モデル)の場合は、吸入インシュレータやマニホールド部にバキュームゲージ用アダプターを接続するためのネジ穴があったり、測定チューブを差し込むための接続パイプが組み込まれているケースが多いが、4気筒モデルが登場する以前の4ストローク2気筒モデルや2ストロークマルチエンジンモデルの場合は、バキュームゲージを接続してキャブレターのバランス調整を行うことができない。そんなときにあると大変便利なのが「シンクロメーター」と呼ばれる測定機器である。エンジン本体とキャブ本体の間に接続し「吸入負圧値を測定」するのがバキュームゲージで、マルチエンジンの場合は、この負圧値を均一にバランスさせることでアイドリング時の吸入バランスを取る=アイドリングをスムーズにすることができる。ちなみに4スト&2ストエンジンを問わず、アイドリング時のバランス以上に重要なのが「スロットルを開き始めた瞬間のバランス=同調」である。これは各キャブレターのスロットルリングの遊びやスロットルワイヤーの遊び調整にて行なうことができるので、キャブ調整時には徹底的にバランスさせてみよう。

 

「シンクロメーター」は、キャブレターの吸入側=エアエレメント側にセットすることで、吸入空気量を測定することができる。ここではカタツムリ型機器を利用しているが、一般の指針ゲージのようなタイプもある。例えば、2ストパラツインや2ストトリプルモデルのキャブバランスは、どのように調整したら良いものか? 困ってしまうものだ。70年代に開発された当時のモデルの純正サービスマニュアルを参考にすると、マフラーの出口部分に手のひらを当て、排気ガスの圧力を手のひらに感じつつキャブバランスを取るなどの記載があるが、実はこの方法は非現実的。なかなか思うように同調セッティングできない。そんなときにシンクロメーターをキャブ本体に押し付け、流量測定しつつキャブの同調を取るのだ。スロットルストップスクリューの僅かな調整によっても、数値データは想像以上に変化するのだ。このメーターがあれば、2ストマルチでもキャブのバランス取りは容易に行なうことができる。

マシンによってはスペースが狭く、シンクロメーター本体をキャブに当てることができないケースもある。そんなときにはエルボアダプターを用意すれば良い。これは水道用塩ビ管とスポンジ板を組み合わせたものだ。

マシンによってはスペースが狭く、シンクロメーター本体をキャブに当てることができないケースもある。そんなときにはエルボアダプターを用意すれば良い。これは水道用塩ビ管とスポンジ板を組み合わせたものだ。

シンクロメーターがフレームやエアクリーナーケースと当たってしまう場合でも、エルボアダプターがあれば大丈夫。マルチエンジンでもシンクロメーターがひとつあれば、キャブ調整を容易に行うことができる。

シンクロメーターがフレームやエアクリーナーケースと当たってしまう場合でも、エルボアダプターがあれば大丈夫。マルチエンジンでもシンクロメーターがひとつあれば、キャブ調整を容易に行うことができる。

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