掲載日:2011年01月21日 バイク基本整備のイロハ › バイクメンテのウンチク
キャブレターには専用ケミカルを使いたい
キャブコンディションにもよるが、インナーパーツを洗浄するのは想像以上に大変な作業である。時には「宝探し」の如く奥底に埋まったジェットを探り当て、取り外せるのならまだ良いが、なかなか緩まなくて困ってしまうこともある。そんなときにはジェットが締め付けられているボディー周辺をヒートガンで温め、熱膨張や固着したスラッジを温めて緩めるのが最善の方法だ。力づくな作業は厳禁である。
さて、分解したパーツはキャブ洗浄専用のクリーニングケミカルを利用しよう。ちなみにこの商品は、クリーナー原液とガソリンを混ぜてパーツを浸すことでガム状のスラッジやカーボンを溶かすといった商品だ。ガソリンで割るのが正解で、原液のままではほぼ効果を得ることができない。つまりガソリンで希釈して初めて効果を発揮するのがこのケミカルなのだ。
過去にモトメンテ本誌では、このケミカルを使って数多くのキャブレターオーバーホールを実践したが、各種ジェットやスクリュー関係部品はもちろん、キャブボディー内部の各種通路の奥底まで、しっかり洗浄でき、キャブ本来の性能を回復することができた。カーボンスラッジばかりではなく、キャブボディー特有の汚れやある程度の腐食も取り除くので、洗浄後はキャブレター特有の風合いを取り戻せたケースもあった。
実際の利用方法には2パターンある。ガソリンで希釈したクリーナー液を準備し、フューエルチューブからキャブレターに注入。しばらく待つと(1時間程度)、キャブ内部の汚れが分解されるので、その状態のままでガソリンタンクにフューエルチューブをつなぎエンジン始動を試みる。これが非分解メンテナンスである。もうひとつは完全バラバラに分解したパーツをクリーナー液に浸し(程度によって3時間~半日)、各部の汚れを徹底的に落とした後に組み立て復元する。この作業の際には、ペットボトルをカッターナイフでカットして、洗浄トレイにするのが良い。少ない洗浄液でも有効に使えるからだ。また、作業ライトを近づけ、白熱球の熱を利用してクリーナー液を温めることで、カーボンスラッジの分解速度は早まるようだ。
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