掲載日:2018年09月06日 メンテナンス
文/丸山淳大 写真/モトメンテナンス編集部
記事提供/モトメンテナンス編集部
※この記事はモトメンテナンス増刊「初心者のためのバイクメンテ」に掲載された内容を再編集したものです。
タッチアップペイントは、塗装面のちょっとした擦り傷に有効で、使用方法も簡単なことから昭和の時代から一般的に使われているものだ。ペイントしたい傷周辺の油や汚れを洗浄して、筆でちょちょっと塗れば地金を隠し、傷を目立たなくすることができる。
しかし、仕上がりはそれなりで補修痕は近くで見ればわかってしまうものだ。だが、タッチアップペイントも乾燥のリードタイムをしっかり取って、傷にペイントを盛り付けるようにした後、他の塗装面と均一面になるように研磨すれば仕上がりは段違いとなる。うまくいけば傷がどこだったかもわからなくなるほど綺麗になるぞ!!
DAYTONA イージーリペア K08E パールパープリッシュブラックマイカ/1,200円(税抜き)。タッチアップと言えばキャップに付いた小筆でチョイ塗りするタイプが良く知られているが、デイトナの「イージーリペア」は、ペンタイプで塗りやすい!! 色番号を参考に愛車に適合するものを選ぼう。
今回、タッチアップでちょ色直ししてみたのが全体に傷が目立つゼファーのタンク。タンクの先端の淵部分は脱着時にフレームやトップブリッジに当ててペイントが剥がれるパターンが多い。
小さな傷には、ペン先で傷を叩くようにチョンチョン塗りつけて補修する。筆ではなくペンタイプなので、繊細な色付けができる。乾燥後してからさらに重ね塗りすると良い。
細い線傷を補修する際は、ペンの先では少し太すぎるので、傷からはみ出してしまいがちだ。はみ出た部分は他からもう一段タッチアップの塗膜の分高くなるので予想外に目立ってしまう。
線傷の補修の際は、ペットボトルのキャップなどをパレット代わりにして爪楊枝で傷にピンポイントに塗料を塗布すると良い。傷だけに塗料が乗るようにすれば仕上がりがワンランク上の美しさに!!
クリア、塗料、下地と大きく分けて3つの塗料が剥がれて、タンクの鉄板が露出してしまったような深い傷は、早めにペイントで保護しないとサビで他のペイント部まで被害が及ぶことになる。
傷を脱脂してからマスキングテープで傷周辺を囲うように養生する。何回か重ねてマスキングを貼って土手を作るようにして、ここにタッチアップの塗料を盛り上げるようにして塗っていく。
一回目に塗ったタッチアップ部分を見ると、たっぷり塗ったと思っても明らかな段差ができているのがわかる。乾くとさらに段差が目立つ状態になるのだ。ここから何回かに分けて塗り重ねる。
乾かないと塗り重ねられないので、ヘアドライヤーで強制乾燥させる。数十分乾燥時間を取っても簡単には乾かないので、時間に余裕があるなら何日かに分けてタッチアップを塗り重ねると良い。
タッチアップ→乾燥を3~4回繰り返して傷部分の塗膜に厚みを出すことに成功した。できれば1日くらい(気温によっては数日)充分に乾燥させて、盛り上げた塗膜の研磨を行う。
塗料が完全に乾燥したら、まずは800番くらいのサンドペーパーとサンディングブロックを使って、マスキングを剥がさない状態で研磨していく。目詰まりしないように水を併用すると良い。
一枚ずつマスキングを剥がして研磨していけば、周りの塗膜へのダメージを最小限に抑えることができる。研磨を進めていくと盛り上がっていた塗膜が削れて周囲の塗膜と高さが近づいて目立たなくなってくる。
タッチアップで盛り上げた塗膜が800番のペーパーで周囲と均一に近くなってきたら、2000番程度の目の細かいサンドペーパーで完全にタンクの塗膜と同一面にする。軽く研磨するだけで構わない。
面が完全に同一面になったら、2000番のサンドペーパーでできた研ぎ目をコンパウンドで磨いて消す。カーショップやバイク用品店で売ってる仕上げ用コンパウンドを使用すると良いだろう。
傷がどこにあったかも分からないくらいに美しく仕上がってしまった。一端塗装を剥いで下地を作ってペイントするのは大変な手間だ。傷の程度にもよるが、小傷ならタッチアップペイントだけでも傷が分からないレベルまで補修することができるのだ!!
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