掲載日:2011年01月11日 バイク基本整備のイロハ › バイク基本整備実践
フロントフォークと同様に、動くから好調ではないのがリアショックユニットである。実は、このリアショックはモノショックでもツインショックでも、注油によって驚くほど動きが良くなるのだ。
妙に「固かったり渋かったり」そんなときこそひと吹き!!
読者の皆さんに質問です。フロントフォークやリアショックユニット本体のメンテナンス&日常点検、したことありますか? 実は、想像以上に少ないのが現実のようです。例えば、ブレーキレバーを握りフロントフォークを上下に作動させたことはあると思いますが、たったそれだけの作業でも、不具合に気が付くこと、ありますよね。例えば、ステアリングの動きを司るステムベアリングの締め付けが甘いと(転倒時に甘くなってしまうことは多い)、作動時にカクカクッ、コトコトッといった異音が発生する。では、リアショックユニットの場合はどうだろう? ショックアブソーバーが効いていれば、ジューコ、ジューコといったダンパー内部を移動するオイル音が聞こえてくるものだ。対してショックアブソーバーが抜けてしまったリアショックの場合は、スコッ、スコッと、バネの力でピョンピョンと跳ねてしまうことが多い。また、それとは逆に、グイッとリア周りを押し込むと、なかなか戻ってこないほど、動きが悪いこともある。いずれにしても、リアショックの動きが悪いとフロントフォークと同じように「乗りにくいバイク」になってしまうため、本来、動くべき部分はスムーズに動くように、日頃から状況を把握しつつメンテナンスを実践するように心掛けよう。
ケミカルひと吹きで改善できることも
ここではリアショックユニット本体に関するメンテナンス実践をリポートするが、「リンクユニット」を装備するモノショックモデルに関しては、リンク周りの動きの良し悪しがリアサスペンション機構全体の動きに大きな影響を与えることも覚えておかなくてはいけない。ツインショックに関しては、ツインショックそのものの動きとスイングアームピボット部分の動き、そして、ショック本体の取りつけ部分の動きに注意しつつ、メンテナンスを実践しよう。ショックユニット本体に関しては、フロントフォークのときと同様に、ロッドの汚れをウエスで吹き上げ、その後にロッドシール付近に向けてケミカルをひと吹きする。その作業後も動きが渋い場合は、ツインショックを取り外し、スイングアームピボット部分がカジっていないか点検しよう。もしもピボットの動きが悪い場合は、分解点検&グリスアップが必要だ。ちなみに、ドライブチェーンが張り過ぎている場合も同様な症状が発生するので要注意だ。リアショック本体を復元する際には、ショック本体を締め付けるボルトやスタッドの受け面にグリスアップを施そう。リアショックが作動する時に、僅かながら摺動するこんな部分の動きのシブサが、リアサスペンション全体の動きの悪さに影響するケースも少なくないからだ。
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