「フロントフォークオーバーホール」編 その4

掲載日:2011年03月22日 バイク基本整備のイロハバイク基本整備実践    

「フロントフォークオーバーホール」編 その4

インナーチューブ表面の傷や点錆の点検は、オイルシールとの慴動面を中心にチェックする。錆がメッキの下まで広範囲に進行している場合は、新品交換の他、専門業者に再メッキを依頼することで対処できる。

フロントフォーク分解、組み立て作業と同様に
重要な「部品点検、良否判定作業」

フロントフォークのオーバーホールを実施する際は、分解、組み立てをミス無く確実に行なうことはもちろん、分解パーツのコンディションに気を配り、部品の良否判定を行うことが非常に重要と言える。特に過走行車や経歴不明の中古車は要注意だ。フロントフォークの構成部品に不具合があれば、オーバーホール作業を確実に実施したとしても、本来の性能を回復させることはできない。完全分解したフロントフォークは、組み立て作業を行う前に部品単品状態で洗浄を行ない、古いフォークオイルや金属部品の磨耗から生じたスラッジ等を洗い流す。その作業の中で各構成パーツの役割を念頭に置きつつ、良否判断を行なっていく。

 

インナーチューブは、表面の点錆や跳ね石による傷をチェックする。何らかの異常がオイルシールとの慴動面に発生しているとオイル漏れの原因となるため、修正や部品交換が必要だ。

アルミ製アウターチューブは、跳石等によるショックに弱く、ヘコんでしまうこともある。ヘコミが内壁側に出てくればフロントフォークの動きの障害となってしまう。忘れずに確認を実施したい。

アルミ製アウターチューブは、跳石等によるショックに弱く、ヘコんでしまうこともある。ヘコミが内壁側に出てくればフロントフォークの動きの障害となってしまう。忘れずに確認を実施したい。

ただし、軽微な錆や傷ならばサンドペーパーで修正が可能な場合がある。また、転倒等の外乱によりインナーチューブに曲がりが発生している例もある。インナーチューブの曲がりは、フォークの作動性に大きく悪影響が出るため、インナーチューブ単品を平らな面で転がしたり、2本のインナーチューブを合わせて回転させたりして、曲がりのチェックを行おう。同様にアウターチューブも要点検項目だ。アルミ製のアウターチューブは跳石などで凹んでいることもあるため、望遠鏡のように中を覗き込み、内壁表面に飛び出たところが無いかどうか確認する。

 

オーバーホールごとに交換が推奨されるスライドメタルは、表面がテフロンでコーティングされている。このテフロンに剥がれが見られれば、再使用はしないほうが賢明だ。

作業手順を見てみよう!

スライドメタルは表面のテフロンコーティングのはがれを確認する。新品部品を組み付ける際は、表面に薄くグリスやフォークオイルを塗布して組み付け時の傷を防止し、初期なじみの向上を図る。

スライドメタルは表面のテフロンコーティングのはがれを確認する。新品部品を組み付ける際は、表面に薄くグリスやフォークオイルを塗布して組み付け時の傷を防止し、初期なじみの向上を図る。

スライドメタルのコーティングは慴動により磨耗していくので、過走行車で未交換の場合は必ず交換を実施したい。インナーチューブ固定のスライドメタルは、手で内径を広げながら組み付ける。

スライドメタルのコーティングは慴動により磨耗していくので、過走行車で未交換の場合は必ず交換を実施したい。インナーチューブ固定のスライドメタルは、手で内径を広げながら組み付ける。

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