掲載日:2012年07月27日 バイク用品インプレッション
撮影・文/山下 剛
クルマと比較した場合のバイクのデメリットのひとつに、走行中に他者とのコミュニケーションを取りにくいという点がある。しかし近頃とみに機能が進化し、充実してきたインカムを使えば、クリアできる。マスツーリングなら休憩のタイミングや退屈になりがちな高速道路走行でのおしゃべり。ソロツーリングでも携帯電話の受信・通話、音楽を楽しむ、GPSナビの音声案内を聞く、など用途は広く、どれもが利便性を非常に上げてくれる。
今回テストしたのは、インターフォンF5だ。通信にブルートゥースを採用したインカムで、第5世代となって機能がさらに充実した。
その特徴を挙げると、
・通信距離は最大1300m
・最大で6台での同時通話が可能
・FMラジオ内蔵
といったところで、携帯電話/MP3プレーヤー/GPSナビなどの機器とブルートゥースで接続できる点は前モデルF4から変更はない。
さて、ブルートゥースインカムというとまず「ペアリング」と呼ばれる作業が必要で、ボタンの数が少なくモニターを持たないインカムではこれがけっこうわかりにくい場合が多い。しかしインターフォンF5でのペアリングは非常に簡単で、F5同士のペアリングはもちろんのこと、アンドロイドやiPhoneなどの携帯電話とのペアリングも説明書を一読しただけで成功した。
今回はF5同士でペアリングしながら、アンドロイド携帯電話とも同時にペアリングし、2台のバイクで走行テストしてみた。ブルートゥース3.0となったおかげか、通信相手との間に大型トラックなどの障害物があっても音声はクリアに聞こえ、通話には問題ない。スピーカーの品質もさることながら、ノイズ除去機能が働き、携帯電話での通話と遜色ない。
高速道路においても、通信相手が視界にいるところでは問題なく通話できた。カタログスペックの1300mまでは試せなかったが、実用で不満がでることはないだろう。
携帯電話の着信は手動でF5本体のメインボタンを押すことでもできるが、自動着信にしておいたほうが無難だ。発話による着信も可能だが、走行ノイズを拾ってしまうためかうまくいかないこともあった。このあたりの設定や使い方にはいくぶん「慣れ」が必要。バイク走行中にあれこれと機器の操作に気を取られるのは危険なので、走行前にしっかりと設定をしておきたいところだ。
走行風に応じて受話音声が大きくなる機能も相まって、通話はクリアだ。常に進化と熟成を重ねてきたモデルだけに、豊富な機能と性能を手軽に使える点が秀逸。数あるブルートゥースインカムの中で、安定した一台といえるだろう。
本体に大きく配置されるメインスイッチはグローブ越しでも感触をつかみやすく、クリック感も上質でわかりやすい。その上下左右に4個配置されるサブスイッチの操作にはやや慣れが必要か。
F5本体をヘルメットに装着する方法は2種類ある。こちらは専用アタッチメントで、ヘルメット側部を挟み込み固定する方法だ。ご覧の通り2本のビスを使いしっかりと固定できる。
ヘルメットによっては専用アタッチメントを使用できない場合のため、両面テープによる固定も可能だ。専用スポンジテープが付属するので、このように平面以外のところでも固定可能だ。
ステレオスピーカーは小型で薄く、ヘルメットのチークパット内部に装着することも可能。そのためか音楽を聴くときはやや低音が弱く感じられるが、音声通話には必要にして十分な音質だ。
ジェットヘルメット用にはアーム付マイクが、フルフェイス用には取付ベース一体型マイクが付属。フルフェイス用マイクのベース部分は柔らかく、湾曲した面にもしっかりと固定できる。
カタログスペックで最大12時間使用可能。テストでは6時間ほど通話使用したが、バッテリー残量には余裕があった。本体はIP67規格防水機能があり、雨天でもまったく問題なく使える。
価格/6万1,800(ツインパック)
問い合わせ先/トーヨー産業(TEL/03-6303-0030)
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