iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼/第四回 バイクとヒト編

掲載日:2019年12月05日 フォトTOPICS    

写真/増井 貴光  取材・文/小松 男

iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼/第四回 バイクとヒト編のメイン画像

第四回 バイクとヒト編

iPhoneを使ったカッコいいバイク写真撮影レクチャーの連載もいよいよ四回目となりました。日々進化を続けるスマートフォンのカメラ性能。中でもその先頭に立ち続けているiPhoneは、誰でもきれいな写真を撮ることができるものと定評があります。自撮りや食撮りも良いですが、我々ライダーにとっては、素敵なバイク写真を撮ることもポイントです。そこでこの企画では、インスタグラムやフェイスブックをはじめとしたSNSでかっこいいバイク写真を投稿するため、プロのバイクカメラマンによるレクチャーを行っていきます。第四回目はバイク+人物を交えた写真の撮り方です。パートナーやバイク仲間と写真を撮り合いしながら、スキルアップを目指しましょう。

【この記事の目次】
■LESSON 01 バイクと人物の位置関係が写真の印象を変える!
■LESSON 02 バイク、人物、どちらかを極端に引き立てる!
■おまけ 上級者は走行カットにもチャレンジ!
■まとめ

iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼ ということを目指して開始したこの企画ですが、これまでに持ち方やアングルなどをレクチャーした基本編、一枚の写真の中に、どこにどのようにバイクや風景を配置するかを学んだ構図追求編、街中や自然の風景などを活かしつつ撮影を行うことを目指したロケーション活用編を紹介してきました。これまでの課題はおおよそクリアされましたでしょうか? そして今回は、いよいよ人物とバイクを絡めた写真の撮り方を学んでいきたいと思います。

そもそもバイクは勝手に動くことはありません。どこにあったとしても、そこまで乗ってきた人がいたはずです。もちろんカッコいいバイク写真が撮りたいだけ、という方もいるとは思いますが、バイクの写真の中に人物を一緒に収めることは、ひとつの記念となりますし、何年も経った後に見返すと、その当時を思い出すことができるきっかけにもなるでしょう。

それが、ただバイクと人物を一緒に収めただけよりも、多少気を使って撮影するだけで、格段に素敵な写真になるのです。さらに今回は、走行カットの撮影に関しても簡単なレクチャーを行います。先ほど書きましたように、バイクはライダーがいなければ走ることはできません。なので、走行カットを撮れれば、さらにバイク写真の世界は広がります。

今回も、iPhoneを使った素敵なバイク写真を撮るための指南役として、数々のバイク媒体で活躍する増井貴光カメラマンを講師とし、レクチャーを行っていきます。

LESSON 01

バイクと人物の位置関係が写真の印象を変える!

iPhoneでバイクと人物の写真を撮る際、どのように撮影されていますか? バイクの前に立つのか、横に立つのか、または跨っているのか……。重要なのはそれぞれ被写体となるものの位置関係によって、印象の異なる写真となることを理解しておくことです。

iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼/第四回 バイクとヒト編の画像01

人物がバイクよりiPhoneに近い位置:
上の写真はバイクよりもレンズに近い位置に人物が立っているため、人物が大きく写っています。iPhoneのカメラは広角なので、かなり近寄って撮ることができますが、その分四隅に近い部分はゆがんできてしまいます。人物を主体とした記念写真としてならばこれでもいいのですが、バイクと人物のバランスで考えると、アンバランスになってしまいがちでしょう。

iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼/第四回 バイクとヒト編の画像03

同じ場所、同じ立ち位置で撮影しなおしました。今度は縦位置にして、画角の半分ほど後ろの風景を取り入れています。こうすることで、人物の顔が写真の中央近くに配置することができ、歪みを抑えられるうえに、奥行き感を出し、バイクと人物そして風景という構成とすることで、写真のバランスを良くしています。

iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼/第四回 バイクとヒト編の画像01

バイクが人物よりもiPhoneに近い位置:
今度は、人物をバイクの後ろ側に立ち撮影をしました。最初の写真と比べてみてください。人物が写真の中心に近い位置にあるため、これもまた歪みの影響を受けにくいうえに、バイクの大きさを引き立てて、インパクトのある力強い写真となっています。これもまたバイクと人物のバランスを両立させた良い写真のひとつと言えるでしょう。つまり、バイクの横に立って写真を撮る際、バイクよりも手前に立つのかそれとも奥なのかという違いだけでも、かなり雰囲気の異なる写真になるのです。

iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼/第四回 バイクとヒト編の画像01

iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼/第四回 バイクとヒト編の画像01

バイクと一列になって立つ:
そもそも写真というものは、被写体となるものが奥に行けば行くほど小さく写り、逆に手前に来れば大きくなっていきます。上記で説明したように人物がバイクの手前や奥に立つことで写真の印象が変化するというのは、レンズ(iPhone)と被写体との距離が変わるからなのです。ならば、同一線上に立つとどのようになるでしょうか。

上の2枚の写真は、バイクのフロント側、テール側に立って撮ったものです。どちらの写真もiPhoneと、バイクおよび人物の距離が、同じだけ離れているため、サイズ感がまとまって見えます。バイクと人物、どちらも主体として撮影するならば、このような位置関係を覚えておくとよいでしょう。

iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼/第四回 バイクとヒト編の画像01

バイクに跨って撮る:
これもバイクの前後に立つのと同様に、人物とバイクがiPhoneとの距離が同一なので、大きさという点においては、まとまりが良い写真だと言えます。ただし、横位置で画角ピッタリに収めようとすると、歪みが気になってきます。作例のように縦位置に構えるなどし、被写体となるバイクと人物をなるべく中央に配置すると、よりバランスの良いカットとすることができます。

LESSON 02

バイク、人物、どちらかを極端に引き立てる!

レッスン1で紹介したのは、いわゆる証明写真というものに近いカットです。どこに行った、誰と行った、バイクは何だったのかなど、それらをしっかりと写真として残す際に用い、一般的にバイクと人物を絡めた写真を撮る際にもっとも撮られることが多いと思います。ここから先は、もっとイメージカットよりの写真の撮り方を紹介してゆきます。

iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼/第四回 バイクとヒト編の画像04

バイクと離れた位置に立つ:
階段の前というロケーションを活かして、バイクと人物の距離を遠ざけて撮ったカットです。バイクの存在感を引き立てつつ、人物も添える、そのような写真にしています。もっと階段の高い場所まで上がると、人物は小さくなりますが、その分下から上を見上げるようなローアングルカットにしなければ画角に収まらなくなってきます。そうなるとバイクのスタイリングが、どんどん崩れて行ってしまうので注意しながら、ちょうどよい位置関係を探し出しましょう。

iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼/第四回 バイクとヒト編の画像04

先ほどの写真を応用したカットですが、この写真ではバイク全体を入れるのではなく、バイクの前後を切り取り、人物、そして空などの背景を取り込んだものとしています。先の写真がバイク主体としたカットだったのに対し、今回は人物を主体としたカットとなっています。この使い分けができるようになれば、もはや上級者と言えるでしょう。

iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼/第四回 バイクとヒト編の画像04

自撮りにバイクを絡める:
自撮りをする際に、写真の中にバイクを収めるならば、奥にバイクを入れこむのもひとつのテクニックです。自分を中心に、風景やバイクを取り込み、その場の雰囲気を表現する際などに適しているでしょう。自分ひとりであっても、人物とバイク、ロケーションを交えながらの写真を撮っておけば、後々の思い出にもなります。

iPhoneポイント!
iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼/第四回 バイクとヒト編の画像05

iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼/第四回 バイクとヒト編の画像05

iPhoneのカメラは、高感度機能に優れているため、逆光などでもディテールが良く分かる写真を撮ることができます。撮影の基本は順光ではありますが、光の取り入れ方を工夫することこそ、写真撮影を楽しみ、テクニックを磨くことに繋がります。しかもiPhoneならば、順光、逆光、サイド光、それぞれの特徴を活かしながら、素敵な写真を簡単に撮影することができるのです。それなので、バイク、人物、ディテールなど、様々な撮影シーンで、光の入り方に注意しつつ、カッコイイ写真を撮ってみてください。

おまけ

上級者は走行カットにもチャレンジ!

バイク雑誌やウェブサイトを見ると走行シーンの写真が良く使われていますが、実は走行シーンを撮影するのは難易度が高いのです。というのも動いている物を写すわけですから、簡単なはずがありません。ただそれでも簡単に撮れてしまうのが、iPhoneの凄いところなのですが、撮った写真を確認してみると、なんだか違和感を覚えます。

iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼/第四回 バイクとヒト編の画像04

これは、通常のカメラモードで撮影した写真。良く撮れているように見えますが、なんだかおかしい。実は走っているはずのバイク、そして景色、すべてが止まっているのです。どうしてこのような写真になってしまうかと言うと、iPhoneのカメラ機能に備わる撮影アルゴリズムにポイントがありました。通常写真というのは暗いところでは、なるべくシャッタースピードを遅くして、少しでも光を取り入れなければなりません。ただシャッタースピードを遅くするということは、それだけ手ブレが発生する確率が高くなってゆきます。

そこでiPhoneでは、暗いところでは、自動的に感度を上げて、手振れを防ぐような仕組みになっているのです。これは明るい場所でも効いていて、なるべくシャッタースピードを速くして撮影することで手振れの無い写真としています。それなので、明るい場所での走行シーンを撮ると、作例のようなカットになってしまうのです。ちなみに写真に詳しい方も読まれているかもしれないので、上の写真の詳細を書きますと、F値1.8、ISO感度20、シャッタースピード1/857秒。ビシッと止まってしまうはずです。

そんな理由から、カメラ機能をマニュアル操作できる無料アプリをダウンロードして、再度チャレンジしたのが下の写真になります。

iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼/第四回 バイクとヒト編の画像04

これは流し撮りというもので、被写体であるバイクの動きを追いながらシャッターを切ることで、後ろの風景が流れているように写すことができるテクニックです。ホイールなども回っているように写すことができており、躍動感がある写真となっています。バイク雑誌などでもよく見かけるのは、こういった写真ではないでしょうか? このカットはシャッタースピード1/213秒で、それでもかなり早いシャッタースピードなのですが、日陰の部分をバイクが走ることで、後ろとの明暗さをつけ、結果的に流れるような写真に仕立てることができています。

iPhoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼/第四回 バイクとヒト編の画像04

この写真は、背景をとめて、バイクが過ぎ去る瞬間を流れるように写したものです。上の流し撮りとは逆に、背景を写すようにし、そこをバイクが横切るという撮影方法です。流し撮りと比べれば難易度は低く、チャレンジしやすいかと思います。

まとめ:
今回はバイクと人物の位置関係によって、様々な写真を撮ることができるということを重点的にご紹介してきました。冒頭でも書きましたが、カッコイイバイク写真を撮ることに集中してしまうと、あとから、その場の雰囲気を忘れてしまいがちです。そのロケーションで写真を撮るには、そこまで乗ってきたライダーという存在が絶対的に必要な条件となりますし、バイクと人物を絡めた写真は良い思い出として残すことができます。今回はさらに走っているバイクの撮影テクニックも紹介させていただきました。動いている被写体を撮影するテクニックというのは、様々なシチュエーションで応用ができるほか、実は常日頃練習できるものであります。例えば道を走っているクルマやバイクを撮影してもいいですし、駅のホームに入ってくる電車を写すことでも練習になるでしょう。その場に応じて色々な撮影を楽しんでみてください。
iphoneを使ってSNS映えするカッコいいバイク写真を撮ろう‼の画像10

カメラマン プロフィール
増井 貴光
二輪誌を中心に雑誌、広告等で活躍中のカメラマン。愛車はハーレーFLTRXなど。古典芸能やアメリカインディアンの文化から多大なる影響を受ける。ドラッグレース、ボンネビル・ソルトフラッツで開催されるランドスピードレースなどアメリカのレースやバイクによる旅の写真をライフワークとし、自らバイクで走って撮影するスタイル。「職業=旅人なんて言いたいけど、そこまで旅できていない」という。なぜか誌面に顔を出していること多し。オフィシャルサイトで作品をチェック!
ライター プロフィール
小松 男
BMWバイクス/DUCATIバイクス/Gooバイクなどの雑誌編集長を務めた後、フリーランスエディターへ転身。国内外ブランドを問わず、大型クルーザーからEVスクーターまで、2輪の乗り物ならば何でも乗りたがる性分の元祖雑食系。広く深くがモットーで、他人からは助平な性格と言われることもしばしば。出不精かつ出たがりという二面性を持つ。

こちらの記事もおすすめです

この記事に関連するキーワード

新着記事

タグで検索