デイトナ MOTO GPS RADAR

掲載日：2010年12月06日バイク用品インプレッション

バイク用品インプレッション

携帯する高性能レーダー探知機
デイトナ MOTO GPS RADAR

路上に点在するさまざまな要注意ポイントを警告してくれるレーダー探知機。毎日乗るようなバイクのヘビーユーザーにとってはもちろんだが、むしろ路上での「勘」が鈍りやすい週末専門のライダーにこそ有効なアイテムと言えるのかもしれない。特に近年の製品は高精度なGPSを内蔵しているものが多く、自車の正確な位置情報をもとに電波の受信では察知できない取り締まり機器の存在を知らせてくれるほか、急カーブや分岐・合流、スクールゾーンの存在など、事故やトラブルを回避するための有益な警報を発してくれる。

さて、今回テストしたのはデイトナから発売された最新のレーダー探知機「MOTO GPS RADAR」である。この製品の最大の特徴は、充電式の高性能バッテリーを内蔵し、車体から給電せずともポケットなどに忍ばせて運用可能なこと。雨中走行にも十分耐えうるIPX6相当の防水性能を実現し、ハードな環境にさらされるバイク用レーダー探知機として高い信頼性も確保している。取り締まりに使用される電波を受信したり要注意ポイントに接近したりすると音声とLEDインジケーターによって安全運転を促してくれるほか、付属のヘルメットスピーカーやブルートゥース式ヘッドセットでも警報を確認可能だ。受信部は警察の各種取締りや緊急車両の通信などに用いられる18バンドをカバーしており、その守備範囲の広さは高性能な4輪用レーダー探知機と同等だと言える。それもそのはずで、この製品は4輪用製品で有名なコムテックとデイトナが共同で開発したもの。最新の情報が盛り込まれた新鮮なGPSデータをインターネット経由で更新できるサービスも4輪用アイテムと同様である。

このMOTO GPS RADARを運用しながら走行していると、実に多くの取り締まり機器・設備が存在することに驚く。特に電波の受信では察知できない地中のループコイルなども警告してくれるのは、GPS併用機ならでは。今回のテストでは約100kmを走行したが、ポケットに何気なく収納した場合でも次々と警報が発せられ、受信性能は非常に高いと感じた。電源を入れてから1分程度で測位が完了することから、GPSエンジンもかなり高性能だと言えるだろう。トンネル通過後の復帰も速いので都市部の高速道路などを走行しても安心感が高い。また、とても印象的だったのが警報を発してくれる女性の音声が非常にクリアだということ。激しい風切り音のなかでも付属のヘルメットスピーカーを使用すれば情報を確実に聞き取ることができる。もちろん内蔵スピーカーの音声も良好なので、四輪に搭載した場合でも耳障りに感じることもない。

レーダー探知機というと「取り締まり逃れ」というイメージがあるかもしれないが、このMOTO GPS RADARを使用しながら走行すると、警報に促されて自然と安全運転を心掛けるようになるのは事実だ。もちろん、常に安全走行を心がけるのがベストだが人間は感情の動物でもある。転ばぬ先の杖として本機を導入するのも良い選択だと感じた。