フリッツメタルポリッシュ

掲載日：2010年12月13日バイク用品インプレッション

バイク用品インプレッション

ロングセラーには理由がある
フリッツメタルポリッシュ

リニューアル・変革・チェンジなど急激な変化が脚光を浴びる現代で、長きにわたって変わらないものがある。アメリカで20年以上の実績を持つフリッツメタルポリッシュもそのひとつ。金属・プラスチック・塗装面にも使える万能磨き剤の定番アイテムだ。アルマイト処理やメッキ処理が施された金属、塗装されたプラスチックにも対応し、ステンレスマフラーの焼け色除去にも効果的。また、水垢や軽度の錆落としにも使えるという謳い文句は、まさに万能磨きらしい守備範囲の広さである。

この手の磨き剤で心配になることといえば、施工面への悪影響。酸性やアルカリ性のケミカルは強力なモノも多いが、施工面のコーティングによって変色などが起きることもあり、また研磨剤によりコーティング自体を傷めてしまうことも考えられる。こんなことから使用をためらい、最終的には工具箱の奥に追いやられてしまう磨き剤も多いことだろう。しかし、フリッツメタルポリッシュはそういう心配すら綺麗サッパリ拭い去ってくれる。このアイテムの最大の特徴は“研磨剤が含まれない中性タイプ”ということ。悪影響を与えないという安心感が、万能磨きとして使用用途を広げてくれるのだ。これこそがロングセラーの理由。普段の何気ないメンテナンスでも出番が多いアイテムとなるだろう。

実際に使ってみたところ、メタルポリッシュと専用ウエスとの相性の良さに驚いた。マイクロファイバークロスはその名の通り“細く軟らかい繊維の布”で小さな汚れやチリを掻き出し、施工面も傷めないということ。この布がどのくらい繊細なものかは、生地を触るとすぐに判った。さぞかしシルキーな肌触りかと思っていたが、実際は正反対だったのだ。冬場とはいえ肌荒れしていないと自負していた自分の指先だったが、わずかな指紋のひび割れが極細繊維に引っ掛かってしまう。逆に掌や手の甲などで触ると、滑らかな肌触りを体感できるという有様。つまり、滑らかな面にはやさしく接し、細かい汚れには引っ掛かるということ。洗濯して約500回の再使用が可能という、このクロスだけでも十分に使用価値がある。いかにも欧米らしく“Touch Me”と書かれたパッケージの切れ目から、生地を触ることが出来るので、店頭で見かけたらぜひ試してもらいたい。

このマイクロファイバークロスにメタルポリッシュを適量とり、マフラーガードのメッキ面を磨いてみたところ、熱で焼き付いていた水垢は見事に除去され、白くくすんでいた表面の輝きも取り戻すことが出来た。磨きにくい下面でも垂れ落ちないペースト状で、ムラのない仕上がりだ。しかも、汚れを落として表面を綺麗にするだけでなく、保護コーティングまでできてしまうというスグレモノ。くすみがかかったパーツはもちろん、使用したまま放置しがちなヘルメット、腕時計やゴルフクラブまで、幅広く活用できる万能磨きは、工具箱に忍ばせておきたいアイテムだ。