カブ生活

第二十八回「タンデムカブ」

掲載日:2014年07月30日 原付漫遊記松本よしえのゆるカブdays    

え・文・写真/松本よしえ

お暑うございます。巷では夏休みが始まり、真夏モード全開っ! カブでお出かけする方は水分補給をお忘れなく。熱中症対策ですよ。

先日、都内を羽カブで走っていたときのこと。ご夫婦らしき男女がカブにタンデムしているのを見かけました。前後する二人の間にはカワイイ犬(たぶんトイプードル)が挟まり、どこか公園にでも出かけるところなのでしょうか。犬を気遣いながらタンデムする様子がとても幸せそう。思わず笑顔で見送りました。カブに乗るようになってもうすぐ3年。わたしも羽カブ(90cc)で二人乗りすることがあり、巷のタンデムカブが気になります。

この春に奈良県へと旅したときは記憶に残る光景に出合いました。稲穂の緑が鮮やかな田んぼの道を走っていたら、老夫婦がカブに二人乗りしていたのです。前カゴには農作業の道具が収まり、ハンドルを握るお爺さんの後ろに跨るお婆さんは割烹着の裾をヒラヒラさせて、とても気持ちよさそう。その老夫婦にとっては畑と自宅を往復するだけの日常なのだろうけど、30km/h以下の極低速で走る姿が堂に入っていました。低速でぶれずに走るのって意外にむずかしいもの。とりわけ背後に見知らぬバイクが付いたらドキドキするだろうに、まるで木陰で涼んでいるみたいにリラックスしたまま走る様子は只者ではない!? 追い越し際に手を上げて敬意を表したら、お二人ともニッコリと笑い返してくれました。わたしもこんな風にずっとカブに乗り続けられたら幸せだろうなぁ。そう思わずにはいられない素敵な姿でした。

さて、写真のN田さん夫妻はタンデムでキャンプへ。テントやシュラフ、調理道具などを積み、奈良の山奥にあるキャンプ地へやってきました。お二人はそれぞれソロでもバイクを楽しむライダーなので、いつもタンデムってわけじゃあないけれど、たまにはこんな楽しみ方も素敵ですね。ご本人達も大きなバイクでタンデムするより平和に走れ、新鮮に感じられたようです。ボックスの上に重ねた荷物は相当な重量ですが、タンデムする人の背もたれになるように上手く積んで、さすがベテランライダーの貫録。真後ろから拝見すると細いリアタイヤが健気に頑張っています。重い荷物の積載やタンデムのときはタイヤの空気圧も要チェック。パンク修理の備えは必須ですよ。

110ccのカブに大きな荷物と、とびっきりの笑顔を積んで奈良の山奥にあるキャンプ場へやってきたN田さん夫妻。荷物の大半は直付けのボックス上に2段積みしています。荷崩れしにくい上手な積み方は上級者!

手持ちのipadをナビに。ゴムのコードでカゴに固定しています。このキャンプの後、N田さんはアルミ材を切りだして本格的な固定キットを自作しました(イラスト参照)。

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