

掲載日:2013年11月29日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/河合宏介
TIGRAベースのエンジンだが、まったく同じ仕様ではない。パワフルだが高回転型ではなく、実用的な低中速を重視したセッティングになっている。エンジンをかけると、アイドリングは1800rpmくらいを指して、ぴたりと安定している。その状態で振動は少なく、ミラーがブレたりすることもなかった。走り出して信号を3つくらい過ぎると、すぐに水温計の目盛りは2つ表示され、走り終えるまで同じ表示で安定していた。
停止状態からアクセルを開けると、回転の上昇を待つこともなく一気に加速する。ゼロスタートからの出足はトップレベルだろう。6000から8000rpmくらいが気持ちのよい回転域で、8000rpmから上には長い距離が必要となる。TIGRAよりも最高速度が控えめになっているとはいえ、速度域の高いバイパスなどでも余裕をもって流れに乗ることができる。前走のクルマをパスするような場合でも、充分な中間加速を得ることができた。走りの安定感も高い。取材日は風が強い日だったが、横風が強い高架橋などを通過してもとても安定していたのは驚きたった。
高い安定性の背景には、エンジンマウント部分を除き、220のボディをほぼ流用していることが挙げられる。一般的には車体の重さのほうを懸念しがちだが、このモデルはボディバランスの良さとエンジンセッティングの妙によって、125ccスクーターとしての性能を確立したなという印象だ。そして、このしっかりとしたボディ剛性がクラスを超えた安定感と安心感を生み出してもいるのだ。その走りは高級感さえ感じる上質なものだった。
スポーツスクーターと名乗るとおり、前後にはディスクブレーキが装備されている。いずれもメッシュホースが採用されていて、カッチリした感触で効きも充分なものだ。サスペンションは素直な動きだが、街中を走るには少し固い印象があった。燃費は、都市部を中心に135キロ走って、リッターあたりおよそ30キロ。TIGRAに比べて最高速度が少しだけ劣るわけだが、それが大きなデメリットだとは感じない。一瞬だけの最高速よりも、交通の流れに乗った常用スピードで楽しい方が得だと考えるライダーにはG-MAX125はオススメできる一台だ。
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