
掲載日:2017年06月17日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/野岸“ねぎ”泰之
アクシスZのシートは666mmとロングタイプで、ライディングポジションの自由度はかなり高い。シート高は770mmで、このクラスとしては標準的なもの。しかしサイドがそぎ落とされた形状のため、足着き性は良好だ。シート表皮は滑りにくく、お尻がスッとはまり込むようなしっとりしたクッション性がありながらも、しっかりとホールドしてくれる。これはほかのマシンでは感じたことのない、ちょっと不思議な感触だ。
アクセルを開けてスタートすると、滑らかでジェントルに加速していく。決して特筆するような速さではないものの、いつの間にかスルスルっとクルマの流れを抜け出している感じで、混雑する都市部でもストレスを感じることはない。むしろコンパクトな車体のため小回りが利き、渋滞路でこそ実力を発揮するマシンといえるかもしれない。ブレーキはフロントがシングルディスク、リアはドラム式だが、制動力に不安も不満もない。
サスペンションの動きもクイックというよりゆったりしていて、独特のクッション性を持つシートの効果もあり、段差を越えても突き上げのないフワリとした柔らかい乗り心地をキープしてくれる。ひとことで言うなら「疲れにくい乗り味」というのが一番しっくりくるだろう。
ハザードやパッシング機能がないなどコストダウンの影響もみられるが、22万5,000円(税抜き)という価格を考えると、むしろとてもコストパフォーマンスに優れたモデルだ。通勤、通学、買い物など、日常の足を求めているユーザーには満足度の高い1台となるだろう。
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