

掲載日:2016年12月08日 試乗インプレ・レビュー
取材・文/佐川 健太郎 写真・動画/山家 健一 衣装協力/HYOD
クラシック・ベスパを彷彿させる丸目一灯のヘッドライトや独特のフロントシールド形状はベスパの長い歴史と伝統を感じさせる部分だ。
上から下へと太くなっていく「ネクタイ」と呼ばれるステアリングコラムカバーも昔からの伝統。フロントシールド左右に埋め込まれたウインカーには現代的なLEDタイプのポジションライトを装備する。
今でこそスクーターのエンジン+駆動系のスタンダードとなっているユニットスイング方式も元々はベスパが考案したもの。新型では新たに「i-Get」エンジンが採用され、エンジンマウントの設計変更やダンパーの見直しなどにより振動が軽減、快適性も向上している。
航空機技術からの転用と言われる片持ち式フロントフォークもベスパの初期モデルからの伝統。シングルディスク内側にはABSセンサーが見える。
フロントホイールを右サイドから見ると片持ち式であることがよく分かる。高級感漂うアルミホイールは新型になって12インチサイズとなりデザインも変更された。
ステッチと面構成で立体的に仕上げられたシート。前後一体タイプのシンプルな構造だが座り心地は良く、ホールド性にも優れる。タンカラーがお洒落だ。
ハーフタイプのヘルメットが収納可能な16.6リットル容量のシート下スペース。素材は樹脂製でボディとは独立した構造になっている。
シート下スペースは手で持ち上げるだけで取り外すことができる。その真下にはエンジンと一体化したスイングユニットがあり、これを取り囲むようにスチールモノコック構造のボディがある。
柔らかな膨らみを持った「チーク」と呼ばれるボディ側面部のデザインがベスパの伝統。ダイナミックな形状はプラスチックを使用しない「スモールボディ」の特徴でもある。リアセクションも左右ウインカーは埋め込みタイプ。グラブバーのデザインも繊細で美しい。
乗り降りしやすい低いステップフロアもフレームを持たないベスパならでは。バッテリーをボディのセンタートンネル内に配置することで走行安定性を向上する工夫も。
フロントシールドにはグローブボックスを内蔵。右側はヒューズボックス、左側には小さいながら収納スペースがあり、USB電源ポートが設置されている。
アナログ式スピードメーターの下側に、オドメーター・トリップ・燃料・時計を表示する液晶画面を設けたユニークなデザインのインストルメントパネル。このデザインも伝統と革新を融合したものだ。
価格(消費税込み) = 45万9,000円
※表示価格は2016年12月現在
イタリアのスクーターブランド「ベスパ」が誇る最上級モデル、「Vespa 946」のデザインエッセンスを随所に継承した「スモールボディ」モデル。
■エンジン型式 = 空冷4ストローク単気筒 SOHC 3バルブ
■総排気量 = 124.5cc
■ボア×ストローク = 52×58.6mm
■最高出力 = 10.6ps(7.9kw)/7,700rpm
■最大トルク = 10.4Nm / 6,000rpm
■トランスミッション = 自動無段階変速(CVT)
■サイズ = 全長1,852mm×全幅680mm
■車両重量 = -
■シート高 = 790mm
■ホイールベース = 1,334mm
■タンク容量 = 9リットル
■Fタイヤサイズ = 110/70-12
■Rタイヤサイズ = 120/70-12
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