

掲載日:2016年09月14日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/野岸“ねぎ”泰之
走りだしてまず感じたのは、ポジションの自由度が高いこと。フロアに足を置くノーマルポジションのほか、足を前に出すツーリングポジション、そし手足を引き、前傾姿勢に対応するレーシングポジションと、3つの着座姿勢を取れるように考えられている。
新設計のハイドロフォーミングフレームは、パイプの中に液体を封入し、数千トンという超高圧をかけることで複雑な形状を成形し、高い剛性を実現したもの。サーキットなどでハードに攻めたわけではないが、都市部を走るだけでその剛性の高さは実感できる。交差点など低速で曲がり角に進入した際にはややフロントが切れ込みやすい挙動があるものの、とにかく乗り心地がどっしりと安定しており、路面状態の良くないコーナーなどに突っ込んだ際にも車体のブレは全くない。エンジンハンガーを従来の上吊式から下吊式に変更したことでコーナリング中のバランス性能が向上したこと、新設計のサスペンションの採用、深いバンク角を確保したことなども、コーナリング性能の高さに貢献しているはずだ。
加速感はガツンと来るものではないが、ケイヒン製のインジェクションシステムを採用し、熟成度を高めたバトルアックスエンジンのフィールはパワフルで力強いもの。ストレスなく法定速度まで車体を運んでくれる。また、今モデルからリアブレーキがディスクとなったこともあり、ストッピングパワーも向上した。標準装着のタイヤに、レースでも使用できるというスペックのKENDA K702を採用していることで、一般道の走行においても安心感が増している。
レーシングS125は全体的に高い質感と気持ちの良い走りをうまくバランスさせたモデルで、所有すれば満足度の高い1台となりそうだ。
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