

掲載日:2013年07月30日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/河合宏介
実際にまたがってみると、身長163cmのテスターでも、両足がかかとまでべったりと着く。小柄な人でも安心して乗ることができるだろう。それでいて、ミニバイクにありがちな窮屈感はない。排気音は静かだが、音質は125ccならではといった太さが楽しめる。そのマフラーのプロテクターは、内側に金属、外側に樹脂という2層にして排気熱を低減する構造になっている。これにより、パッセンジャーに快適な居住性を提供して、積極的にタンデムができる仕様になっている。こんな小さなバイクに二人乗りする姿は、想像するだけでもほほえましい光景だと思う。
デジタルメーターの視認性は良く、右手の動きに合わせて健気に動くタコメーターは可愛いい感じがする。低中速のトルクが太い特性なのでスタートしやすく、初心者でもエンストの確率は低いと思う。走り出すと、およそ5,000回転から上が力強く、スムーズな加速をして、3速で80キロをオーバーする性能を持つ。その性能に合わせ、前・後輪ブレーキには、制動力に優れたディスクブレーキが採用されている。ホイールベースが短く小径ホイールなので、真っすぐ走るよりも、右に左にヒラヒラと曲がることが楽しい。アクションもしやすそうな印象だ。ちょっとだけ気になったことは、シートのスポンジが固めで表皮が滑りやすく、強めのブレーキをかけると尻が前に動いてしまうことだろうか。
「グロム」は、車体が小さいだけで、フルサイズのバイクと同じ装備をしている。コンパクトで軽い車体なので、クラッチ操作に慣れない人でも走り出す時の緊張が少なく、止まるのも面倒に感じないだろう。その機動性を活かして、裏道の散歩や郊外へのツーリングなどに気軽に出かけて欲しい。大型バイクを所有するベテランのセカンドバイクや、はじめてのマニュアルバイクとして、またはリターンライダーにもおススメできる1台だと思う。
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