

掲載日:2013年07月30日 試乗インプレ・レビュー
取材・写真・文/河合宏介
アジア圏の経済成長と共に、実用一辺倒だったバイクへの地元ニーズに変化があるという。グロムは、そんな変化をとらえて作られたプレイバイクだ。大きな特徴は、コンパクトだけれど、力強くボリューム感のある車体だろう。そのフロントフェイスにある「コンバインドプロジェクターヘッドライト」は、2個のバルブで配光する一般的な構造ではなく、1個のバルブで、ローとハイビームの2つの光をつくり出すグロム専用品だ。そこからφ31mmという大径の倒立フロントフォークが伸び、ワイドなアルミホイールを支えている。そのスポークを細くY字型にすることで、ワイドリムでありながら重量が増えないように考慮してある。実際に運転しても、足まわりの重さや反応の鈍さは感じられなかった。
車体はコンパクトだけれど、細部までこだわって造られていることが伝わってくる仕上がりで好感が持てる。例えば、燃料タンクのキャップの造りは、まるでワンランク上のスーパースポーツのように贅沢な造りだ。それは見た目だけではなく精度も良く、カチリと小気味良い音をたてて閉まってくれる。また、トップブリッジやステップには、アルミが使われているので高級感がある。そしてクラッチは軽く、ギアに引っかかりはなく、ニュートラルも出しやすい。
パーツをひとつずつ詳細に見ると、骨太で本格的な感じを受ける。しかし、それをカバーするかのように、張り出したシュラウドとタンクカバーが、愛嬌のある親しみやすさをつくりだしている。つまり、全体として戦闘的なスタイリングではないので、運転していても眺めていても楽しめるバイクだと思う。
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