アドバンテージによって高水準化されたZX-4RRのスポーツ性

掲載日/2026年7月28日
取材協力/株式会社アドバンテージ
写真/海保 研(フォトスペースRS) 取材、文/和歌山利宏
構成/バイクブロス・マガジンズ
フットワークパーツのプロショップである兵庫県尼崎市のアドバンテージが、カワサキZX-4RRに彼らのオリジナルパーツを装備したカスタムマシンを造り上げた。劇的にコントロール性が固められた前後ブレーキ、軽量かつ剛性バランスが最適化されたマグネシウム鍛造製の前後ホイールの素性の秀逸さを、特製アクスルシャフトやピボットシャフト、マシンとの一体感を高めるステップバーが昇華させ、ライトウェイトスポーツを操る楽しさを見事なまでに高水準化させていたのであった。

世界最高水準のブレーキ性能とコントロール性を身近なシチュエーションで実感

バイクで走り出したら、僕の場合は、まずゆっくり発進して、10〜20km/hで軽くブレーキングしてみるのが常である。安全のためのマシンチェックの意味合いがあるし、加減速による姿勢変化を身体に馴染ませるためでもある。そしたら、これだけのことでどうだろう。フロントブレーキの扱いやすさに驚かされ、こいつが信頼できるマシンであることを確信できたではないか。

軽くブレーキレバーに触れれば、その時点でブレーキパッドがディスクを締め上げている様子がうかがえるし、そこからわずかに握力を強めれば、その分だけ忠実にパッドがディスクに喰い込んでいく。効きが握力の変化に対して何とリニアなことか。しかも、握力の増大に対してしっかり踏ん張り、一定の剛性感を維持してくれるので、たとえハードブレーキをしたとしても、スポンジーになりそうな気配など皆無である。様子見程度のブレーキングでここまで信頼性を実感できるとはさすがである。

もちろん、これはフロントブレーキに施された全ての改良点の相乗効果によるものに違いない。NISSINモノブロック式ラジアルマウントのフロントキャリパーはノーマルよりも剛性感が高く、ラジアルポンプ式となったことで、握力をフリクションなくリニアに油圧に伝えてくれる。さらにアドバンテージ・ダイレクトドライブ式のブレーキディスクは、アウターとインナーが面で直接接続され、ブレーキ力を点ではなく面で伝達できるため、遊びがなく忠実でダイレクトな効き味を実現している。また、パッド面のスリットが5本に増やされていることの効果も大きいと感じる。ディスク厚が軽量化に留意したノーマルの4.0mmから4.5mmになり、熱容量が大きくなっていることも、安定した効き味に貢献しているのだろう。もうこれだけで、マシンに対する自信が膨らんでくるというものだ。

接地感がリアルに伝わってくる

ブレーキ性能だけではない。マシンからの情報として接地感がより如実に伝わってくる。マグネシウム鍛造製の前後ホイールは軽量で、路面の小さい凹凸やグリップ力の変化に対しても忠実に呼応してくれる。このホイールは剛性バランスにも優れるので、タイヤの状態をよりダイレクトに伝えてくれるのだろう。

そして、忘れてならないのは、改良された前後アクスルシャフトとピボットシャフトである。乗ってみると、感覚として剛性の高さを感じるが、ブレーキでかかる力も含めた、タイヤの接地面の状態がよりリアルに伝わってくる。これは、シャフト面が精度アップされ、無電解ニッケルメッキによる硬度アップが施されたおかげだろう。つまるところ、これによってより正確に、ダイレクトにホイール側からの入力がマシン側に伝わるというわけである。

なお、剛性によってメリハリのある荷重コントロールが求められるきらいがあり、しなやかにマシンなりのコーナリングを望む人には、取っ付きにくさもあるかもしれない。その意味で、これらのシャフト類は、アドバンテージ代表の中西さんも言うように、マシンに合わせた剛性の最適化に余地が残っていると言えそうである。

時間を長く持てるコントロール性はアドバンテージの真骨頂

リヤブレーキは、スーパースポーツとして一般走行を重視した強めの効きを維持しながら、ロックに対してコントロールしやすくなっている。採用されたレーシングタイプのマスターシリンダが貢献しているのだろうが、もう一つ忘れてならないのは、オリジナル製ステップバーを軸としてのペダル操作がしやすくなっていることである。

このステップバーは、スポーツライディングにおけるステップコントロールに留意した設計にもなっている。コーナリングでは、外足を軸に外足の股関節を体幹で内旋させ、ステップをアウトにひねり出すように踏ん張ることになるのだが、このステップバーはさすがバイクの乗り方を知っている人が造っただけのことはある。おかげでマシンとの一体感が増し、より楽しみやすくなっている。ちなみに試乗時のステップ位置はノーマルと同一だが、サーキット走行時には後12mm、上12mm位置も試してみたい。

アドバンテージは、現在モト2でランキングトップのマニュエル・ゴンザレスをはじめ、モト3のトップライダーにダイレクトドライブのレーシングディスクを供給している。効きの”遊び”を排除できるため、より小さい時間でのブレーキングコントロールを可能にしており、それがレースでの強みになっていることに疑いの余地はない。アドバンテージが一貫して追求してきた「時間を長く持てるコントロール性」は、このZX−4RRにも具現化されている。

車輌全体:外装はノーマルに準じるが、デカール類がさりげに高水準化のほどを演出する。

前後ホイール:前後ホイールは鍛造マグネシウムホイールEXACT RACING10。フロントブレーキキャリパーはNISSINのモノブロック式RADIALFIT。4ポッド式でピストン径はφ32mmの同径(ノーマルはφ32mmとφ30mmの異径)で、パッド込みの重量は0.971Kg。品番はN4RC-108MB-RLSだ。ホイールサイズは350-17/550-17(純正は350-17/450-17)。BRIDESTON BATTLAX HYPERSPORT S23、120/70ZR17 M/C (58W) TL、180/55ZR17 M/C (73W) TL。

ADVANTAGE NISSIN アドバンテージ・ニッシン ラジアル フィット ブレーキキャリパー(モノブロック)

フロントブレーキディスクには、アドバンテージのDIRECT DRIVE RACING DISCを装備、ブレーキ力をフローティング部の点ではなく面で受ける構造となっている。ディスク径はノーマルと同じφ290mm、厚さは4.0mmから4.5mmから厚くされる。Moto2/3用に準じており、品番は591R-K2945-05。

ハンドル回り:マスターシリンダはφ19ラジアルポンプ式で、品番はBMTS19-10S。レバーはショートタイプで、タンクはスモーク仕様。

ADVANTAGE NISSIN アドバンテージ・ニッシン ラジアルブレーキマスター ショートレバータイプ

リヤマスターシリンダ:リヤマスターシリンダはタンク一体型のレーシングタイプ。

ピボット回り、前後アクスル:前後アクスルシャフト、ピボットシャフトはKOOD製。高剛性で高精度仕上げされ、無電解ニッケルメッキ加工が施されている。

ステップ回り:高剛性でコントロール性の高いステップ。写真の試乗時は、位置がノーマルと同じだが、12mm back/0mm UP、0mm BACK/12mm UP、12mm BACK/12mm UPに調整可能だ。

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電話/06-6412-6145
営業時間/10:00~18:00

「ADVANTAGE」はスズキグループでの経験を基に、DORNAやIRTAの主宰する世界最高峰のモータースポーツ『MotoGP・ワールドスーパーバイク・アジア選手権・AMAスーパークロス』に一石を投じ、レース向けに開発したパーツを世界標準とする事を目的として運営しております。
ADVANTAGE EXACT:NISSIN:SHOWA:FCC:DID:KYB:NHK:XAMなど超一流メーカーとコラボし、世界最高峰のモータースポーツで得たデータを軸に製品に活かし、ADVANTAGEのエッセンスを注ぎ込んだオリジナルパーツを世界に発信いたします。